当社はBtoB企業であり、特定少数顧客との継続取引ばかりです。あえてブランド力など必要ないように思うのですが。 | |
企業の成長を支えるドライバーとしてブランド力に着目すべきです |
多くのBtoB企業では、顧客が特定され、しかも同じ顧客でも特定の部門と深く付き合っているというケースが往々にしてあります。そして、継続的かつ安定的な取引関係を築いている場合が少なくありません。このような会社の場合、ブランドなど一般消費者向けの会社の話であって自社には関係ないと思いがちです。
しかし、ニッチな分野では知名度抜群、というのは確かに強いブランドの一つの側面ではありますが、製品分野の広がりにはおのずと限界があります。たとえある特定の分野では知名度が高くても、それ以外の市場ではまったく知名度がない、ということになると、製品分野を拡張していく上ではやはり障害になります。
多くの企業では、新しい取引先と取引を始めるのはどうしても保守的となる傾向にあります。その理由の一つとして、企業では取引先を決めるために多くの人が関係するということが挙げられます。このようなとき、関係者の誰か一人でも、「この会社は聞いたことがない」とか、「他の分野では聞いたことがあるが、この分野では実績がないのでは」などと言い出すと、担当者としては非常にやりづらくなります。まして、それが会社の上位者の場合にはなおさらです。
そこで、担当者としての印象は他のところにあっても、他の人の反応を考えると、誰もが知っていそうな会社を選んだ方が組織人として無難、という判断になりがちです。逆に、ある程度知名度がある、というのはそれだけ新たな市場を開拓できる可能性を高めることにつながるともいえます。
企業人として、会社の発展を願い、その役割をいささかなりとも担っていると自負しているのであれば、やはり自社の成長の可能性を少しでも高める努力をすべきだと思います。
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