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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第29回:Webサイトのキーメッセージを定める

Q 当社のWebサイトは情報が充実していると思うのですが、ユーザーからの評価は必ずしも高くないようです。どこが問題なのでしょうか?
A サイトで伝えたいメッセージが明確でないことが一因と考えられます。
 IRサイトの検討

【図1】IRサイトの検討

Webサイトを作るとき、まず行うべきことは、サイトの目的を設定し、Webサイトを通じて誰に対してどのようなメッセージを伝えようとするのかを決めることです。

あまりにも当然のように思うかもしれませんが、意外にできていないサイトが多いように思われます。

典型的なパターンの一つとして、実に多くのコンテンツを網羅的に集めているため、特定の目的意識の明確な来訪者にとって探している情報が何らかの形でカバーされていて便利であるにも関わらず、一般的な印象が薄い、というサイトが挙げられます。また、このような現象が起こる一つの要因として、知らず知らずのうちにサイト作りが企業側の視点に偏りやすい、ということがあると思います。

たとえば、多くのIRのサイトでは、決算短信やアニュアルレポート、IRカレンダー、決算説明会資料などが主なコンテンツになっていると思います。これだけでも、こうした情報を読み取ることができる投資家は相当な情報を得ることができるでしょう。

しかし、IRのサイトを見る人が初心者で、まずその会社に投資先としてどういう魅力があるのかを理解したいという人は不親切なサイトになってしまいます。かりに今後、個人投資家を増やしたいというニーズがあるのであれば、その会社がどういう魅力があるのかを伝える必要があると思います。投資家には成長性を重視する、安全性を重視する、などの投資スタンスがあるので、それと提供する情報が合致する必要があります。

このようにして考えると、メッセージも一つではなくて、想定されるステークホルダーに応じて複数用意した方がよい場合が少なくないと思われます。また、それに応じてナビゲーションも設計する必要があるでしょう。

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