トヨタのTNGAやフォルクスワーゲンのMQBといった技術は「技術ブランド」でしょうか。 | |
少なくとも現時点ではブランドとはいえないと考えます。 |
独フォルクスワーゲンは2012年、設計共通化手法「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」によって今後の車両開発を進める構想を発表しました。
トヨタ自動車も同様に車両の新開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」 による開発効率向上活動に2012年から取組んでいます。
TNGAやMQBといった技術名称は果たしてブランドといってよいのでしょうか。
これらは確かに名称がつけられていますが、消費者の選択の手がかりとなるという意味での商品ブランドとは意味合いが異なります。位置付けは両社がグローバルに展開する技術的な手法を指すもので、実際のブランドはこれらの手法を用いて開発された車種名となります。もちろん企業のアイデンティティを示すコーポレートブランドとも違います。
もちろん、両社がこれらの技術名称を「この優れた技術こそが自社の品質の証」などと訴求を始めたら状況は変わります。あるいは、消費者の間に「TNGAあるいはMQBで作られたクルマはいいらしい」といった口コミが広がり出したりしても同様です。
しかし、基本的に消費者の受容性の最大化を考慮してネーミングを行っているというよりも、自社の技術戦略を表現するものとして名付けられていると見受けられますので、名称がついているとはいえ一般的に言うブランドとは異なると考えられます。
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