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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第118回:行政機関のブランド力

Q 行政機関にブランド力は必要ですか。
A 円滑な業務遂行のためには欠かせません。

立派な役所の庁舎が市民の顰蹙を買うという事例は少なくないようですが、こと税務署に関する限り、その心配はあまりないようです。

その背景には、下手に市民の反発を受けるようなことをして各方面で差し障りが出ないようにという配慮があるといわれます。

実際に徴税効率を左右する要因は様々ですが、徴税機関に対する信頼度は徴税業務の効率性を左右する要因の一つであることは間違いありません。

市民が税務当局を信用していれば、大半の市民は徴税業務に協力的となり、当局は限られた対象者を特に重点的に調査することによって効率的に業務を遂行することができるようになります。

警察行政についても同様です。警察組織に対する基本的な信頼があるかどうかによって市民の協力度は左右されると考えられますが、これが捜査を始めとするさまざまな活動の効率性にかかわってきます。

いうまでもなこれらの機関は強制的な措置を実行する権限を持っていますが、いたずらに万事を強制的に物事を行って反発を招くより、むしろ多くの事案を平穏かつ円滑に進めた方が全体の効率は挙がることが多いということが経験的事実です。

信頼できる組織たるべきという意識は、市民との接点が多い行政組織ではとりわけ高そうに思われます。その最たるものは郵便局で、民営化以前から市民はお客さまそのものです。逆に、市民との直接的な接点が乏しい組織や立場ではこのような感覚が生まれにくいことがあるようです。また、旧社会保険庁のように上位組織と下位組織が分離した組織では、市民からの反応が組織内で適切にフィードバックされずにさまざまな問題が現場で蓄積されます。

行政組織はヒエラルキーが明確かつ重要な組織ですが、だからといって組織が外部と接する地点で得られる情報を適切に内部にフィードバックできないことはありませんし、そのような状態を保つことが行政組織の組織としての価値を高める上で非常に重要であると考えられます。

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