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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第117回:求められるのは技術を利益に結びつけるマーケティング

Q 日本企業は技術力が高いのに利益率が低いのはなぜでしょう。
A 技術力を利益に結びつける戦略の欠如が一因と考えられます。

日本企業がグローバル競争に伍して生き残っていくために、日本企業でしかできない技術を磨けという主張を良く聞きます。

その点だけを捉えれば決して間違ってはいないでしょうけれども、残念ながらニッチな産業分野だからといって日本企業の収益力が必ずしも高いわけではありません。

優れた技術とは、それが正しく認識されてこそ価値を持ちます。

技術が先進的であればあるほど、それに見合った価値の訴求に一層の努力を傾けることが重要となります。そのような活動が行われなくなった瞬間から利益率の低下が始まります。イノベーションのための努力が行われる一方でそれが評価されないことに伴う当然の結末といえます。やがて競合の追撃も受けるようになって利益率の低下はますます著しいものとなります。

しかし、多くの企業では技術イノベーションの優れた成果は自明とされ、その道を追求することには高い優先順位が与えられます。反面、マーケティングはあくまで売るための活動であるとされ、技術イノベーションよりも一段下の活動に留め置かれやすいのが実態です。

これはマネジメントとしてビジネスモデルをどのように設計し、組織の価値をどのように高めるかという、戦略レベルの問題です。

日本企業の経営者には組織の活動を複眼的に捉え、技術を利益に結びつける戦略を立案、実施することが一段と求められているのではないでしょうか。

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