マーケティング予算の一律削減は将来の価値を阻害しませんか。 | |
効果指標を一元管理することによりブラックボックス化を防ぎ、効率アップによって利益源に変えるのが望ましいと考えられます。 |
マーケティング費用は会社にとってしばしば非常に大きなウエイトを占めます。そこで、一律に削減しようとする動機が働き、経費削減の効果は非常に大きなものがあります。
しかし、単なる一律削減は将来利益の先食いという意味合いがあります。ブランド構築の継続性などの観点から本当に必要な投資は継続的に行わなければなりません。問題はマーケティング費用の中身がブラックボックス化して何が本当に必要なものかが経営者に判断しづらい点にあります。
こうなりやすい原因の一つとして、マーケティングが社内で特定の職能を持った人たちの世界で閉じたものになっていることがあります。本来、経営上のインパクトは少なからずあるにも関わらず、経営レベルで求められる費用対効果に関する指標が共有化されていないことが問題を生んでいます。
これは、消費財メーカーにのみ該当することではなく、海外展開の推進を企図するBtoB企業にも当てはまります。たとえば国内では隅々まで営業ネットワークを張り巡らし知らない人はいない優良企業でも、海外では認知度が極めて低いため営業効率が上がりにくいということがあります。そこで、リード獲得率のような営業効率に関わる指標と併せて認知率などの指標を見ながら必要な施策を打つことが重要になってきます。
このように、経営戦略とリンクさせた形で複数の指標を横断的に見ながら総合的に判断する仕組みを構築すれば、費用対効果が悪いマーケティング施策をやめ、効果が高い施策には資源を投入してより大きな成果を目指すという判断ができます。このように、マーケティング予算を経営者の視点で「見える化」するということは、企業における意思決定の質を高め、マーケティング予算を利益源にすることにつながります。
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