よくある「満足度ランキング」の結果に違和感を覚えることがあるのですが。 | |
ランキングのベースが比率なのか、絶対数なのかに注意し、さらに比率の場合はサンプル数に気をつける必要があります。 |
日経ビジネス2008年7月28日号に今年の「アフターサービス満足度ランキング」が発表されています。
これを見て、「シェアが低い企業が上位にある場合が多いような気がする」という違和感を覚えた方が少なくないと思われます。
たとえば携帯音楽プレーヤーの満足度指数1位はクリエイティブメディア、2位は松下電器産業(パナソニック)、3位はアイリバー・ジャパンとなっています。しかし、これらのサンプル数はいずれも50人未満です。
このランキングはユーザーに占める満足者の比率が元になりますので、サンプル数が少ないとブレが大きくなります。ユーザー数が少ないニッチ商品であるがゆえにユーザーの思い入れが大きく、満足度が高い回答が集まった可能性も否定できません。
逆に、サンプル数がそこそこいるソニー(151人)、かなりいるアップル(437人)はそれぞれ4位、5位となっています。結果の順位だけ見ると両社は上位には見えないのですが、満足者の絶対数ではやはりアップル、ソニーが他の3社をずっと引き離しているはずです。
次に、携帯電話ですが、ドコモ、au、ソフトバンクとも1000人以上(ドコモは2000人以上)と非常に多くのサンプル数がありますので、同じ土俵で比較して差し支えないと思います。そうすると、やはりドコモ、au、ソフトバンクという順序になったという結果に対する信頼度は非常に高いと考えられます。また、サンプル数の少ないイーモバイルはあくまで参考値という位置付けで見た方が良いでしょう。
この調査では回答者が極端に少ないもの(この場合は30人未満)はランキング対象から外すという配慮がなされています。また、調査結果にはきちんと回答者数が記載されていますので、より良い活用のためにはこうした部分も見て結果を解釈することが読者側には求められると思います。
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