当社はメーカーなので大小併せ数多くの技術がありますが、今後どのようなブランディングのあり方が望ましいでしょうか。 | |
一つのあり方として、テクノロジーのマイルストーンに対応した体系化が考えられます。 |
技術をベースとした会社では、開発される技術ごとに名前がつけられることがあります。しかもアプリケーション名称のほか、製造技術など切り口の異なる技術が一つの製品の上に重なり、無数の名称が複雑に積み重なることがあります。
こうなると、一つひとつの名称がブランドネームなのか単なる開発コードネームなのか、全く区別がつかないという事態に陥ります。たまたまヒットした製品の名前があたかもブランドのように認識されることはあっても、あくまで結果論であってそこには戦略性はありません。
このような事態を避け、技術的優位性の訴求とブランディングを一致させる一つのあり方として、テクノロジーのマイルストーンを明確化し、それに対応したブランド体系を構築するという方法があります。
たとえば、インテルの場合、x86系というコードネーム的な時代を経て、PentiumやCoreといったプロセッサをブランド化しました。
同じPentiumの中では動作周波数の高速化によって性能アップがなされ、一方Coreになるとそれとは異なる技術思想を取り入れた高性能化が図られるといったように、シリーズの位置づけとブランドが異なることで技術が新たなステージに移行したことが市場に対して明確に伝えられています。このようなブランディングによって、外部のステークホルダーはインテルの製品を理解する上で重要な手がかりが与えられています。
テクノロジーのマイルストーンに沿ったブランディングは、技術の陳腐化という多くのメーカーにとって避けられない事態に対しても効果を発揮します。
メーカーにとってテクノロジーのマイルストーンは経営ビジョンそのものです。このように、ビジョンが明確にが打ちたてられることはブランディングを効果的に行うために非常に重要な要件となります。
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