ブランド拡張が成功するためにはどのようなことが重要でしょうか。
	コンセプトの一貫性とイメージの移転可能性が重要です。

既存のブランドを利用して新市場に進出することをブランド拡張といいます。

ブランド拡張が成功するために望ましいのは、ブランドが新しい製品を支援することに加えて、新しい製品がブランドを強化する、という相乗効果が期待できることです。

最も一般的なのは、同じまたは類似の製品カテゴリーの中で拡張する方法です。このような場合、コンセプトの一貫性を保ったブランド拡張がしやすいといえます。

異なる製品分野であっても、顧客が一致している場合も比較的成功しやすいパターンであるように思われます。仮に、ドリンク剤を販売しているメーカーがサプリメントを新たに発売したとすると、販売チャネルはドラッグストアなど共通するところが多く、顧客の重なりも期待されることから、比較的自然に受け止められる可能性が高いと思います。しかし、技術は共通しているが販売チャネルが異なる場合にはあまりうまくいかない例が多いように思います。このような場合には、一つの技術から派生したということで、メーカーの立場からは一貫性はあるのですが、顧客からみてイメージに一貫性があるかどうか、ということが問題となります。

イメージの一貫性の要素には、製品分野だけでなく、製品属性、製品の使用場面、使用者のパーソナリティ、グレード感など、さまざまなものが含まれます。これらがすべて一致する必要はなく、もっともコアのイメージに一貫性があるかどうか、が重要となります。

英国の「ヴァージン」はレコード会社からスタートした会社でしたが、その後ヴァージン・アトランティックとして航空事業に進出しました。業界としては異なる分野ですが、エンタテイメント業界での経験を活かし、旅行の楽しさを訴求するとともに、革新、サービス品質、新興企業らしい若々しさなどのコアイメージでは連続性があったといえます。幸い、事業としての成功を経て、同社のブランド力はさらに強化されることとなりました。

【榛沢明浩】

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