資料請求をKPIに設定するのは正しいのでしょうか。 | |
ほとんど購入に結び付かないことを念頭に入れるべきです。 |
多くの企業では、潜在顧客に資料請求させることで、その人の個人情報を入手し、見込顧客として営業攻勢をかけるという営業スタイルが取られています。
しかし、顧客の大半は企業に資料請求をせずに購入しています。理由として、今日では印刷された資料を入手しなくても、インターネット経由の方がむしろ詳しい情報が入手できるからと思われるかもしれません。しかし、じつは、今日のようにインターネットによる情報収集が一般化する以前からこのような現象は起きていました。購入するような顧客は、企業に資料請求するよりも、店舗に行ってカタログをもらったり、BtoB商品であれば代理店に資料を持ってきてもらったりすることの方が多かったのです。
同時に、「本命ではない」商品については、比較検討に念のため資料を入手するとしても、本命ではないのでわざわざ販売店に行ったり代理店の人に来てもらったりせずに済まそうとする人が多くなります。
このようなことから、資料請求した人全体に対し、購入した人の割合は小さく、逆に資料請求数に比例して購入しない人の数は増加します。むしろ、企業が資料請求数を増やそうと努力すればするほど購入率は下がり、非購入者数は増加します。このようなことから、資料請求と購入との間で相関関係を調べると、負の相関係数が出てくることがしばしばあります。
資料請求者の中には購入する人も含まれているとは思いますが、だからといってその数をやみくもに増やそうとするのは考えものです。営業効果の最大化という観点から、資料請求数をKPIに設定することの是非を今一度問い直してもよいのではないでしょうか。
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