アメリカでは番組視聴率に加え、CM視聴率が提供されているようですが、日本ではいかがですか。 | |
日本では提供されていませんが、広告効果を正しく把握するために検討されるべき課題と考えられます。 |
アメリカではニールセンが数年前からCM視聴率を提供するようになりました。これは、インターネットでは媒体視聴率だけでなく広告視聴率を把握することができるのに対しテレビでは媒体視聴率しか把握できず広告効果が測定できないという広告主の不満を和らげ、広告主のテレビ離れを防ぐことが狙いだったと伝えられます。
これに対して、日本ではCM視聴率のデータは提供されていません。しかし、スポンサー企業にとって本当に関心を持つべきものはCM視聴率です。番組視聴率がいかに低水準であったとしても、CM視聴率が十分に確保されていればその広告は効果があったといえます。
これに対し、現在の仕組みでは視聴率は1分ごとに計測されていますので、そのサイクルより短い15秒ないし30秒のCMは計測できないことになっています。もちろん1分おきのデータを見ればおおよその推測は付きますが、視聴率の定義は調査会社側が行って推測でない一つの値を提供した方が分析単位として非常に扱いやすくなりますし、何より広告主の顧客満足度につながります。
番組視聴率と比べてCM視聴率はかなり下がるので、このようなデータを媒体側はあまり出したくないかもしれません。しかし、媒体側が責任を持つべきものはあくまで媒体視聴率で、CM視聴率はCMを出す側にも責任があると考えるべきでしょう。また、データはあくまで広告主側だけ知っていればよく、必ずしも一般に公表する必要はありません。
データを見れば、おそらくソフトバンクのCM視聴率は高いとか、別のCMは低いなどの事実が分かるでしょう。そして、効果検証の妥当性が高まるとともに魅力的な広告制作に対するするインセンティブが向上し、ひいてはテレビの媒体価値向上にもつながることが期待されます。
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