第4回は、自然食品や無農薬食品の通信販売についてです。
近年、「食育」という言葉が聞かれるようになっています。農林水産省によれば、食育とは、「国民一人一人が自らの「食」について考える習慣を身につけ、生涯を通じて健全で安心な食生活を実現することができるよう、食品の安全性、食事と疾病との関係、食品の栄養特性やその組み合わせ方、食文化、地域固有の食材等を適切に理解するために必要な全国的な情報提供活動や地域における実践活動等を行う」ことを指しています。
一方で、健康的な生活のために、体によい食品やサプリメントなどを求めている人が増えてきています。このような風潮を反映してか、近年、無農薬・自然志向をうたう食品の通信販売が増えてきています。このような自然食品・無農薬食品の購入を考えている方、すでに購入をされている方もいらっしゃると思います。どのような理由でどのような食品が購入されているのでしょうか。
通信販売で食品を購入するようになったきっかけ
通信販売で自然食品を購入するようになったきっかけは、「広告を見て」が最も多い購入動機になっています。また、「健康に不安を感じて」といった理由や、「近年のブームでなんとなく」、という理由も比較的多くなっています。大きく分けると、友人や広告等、情報を得て購入する場合と自発的に購入をし始める場合とにわけられると言えるでしょう。
【図1】通信販売で食品を購入したきっかけ
通販で購入する食品の種類
それでは、どのような食品が購入されているのでしょうか。多いのは、サプリメント、地域の特産品で、約3名に1名が、通信販売での購入経験があると回答しています。これまでは旅行先や物産展などで購入していた地域特産品が、インターネット・通信販売の普及によって利用されるようになっていると言えるでしょう。また、サプリメントは、普段利用しているものを、より安価に購入するために、通販が利用されていることが考えられます。
【図2】主として購入する食品(複数回答)
通販を利用した感想
実際に通信販売を利用した感想としては、値段が高いとの指摘が最も多くなっています。私も通信販売で地域の和菓子や水を購入しています。いつも思う感想は、運賃と代金引換の費用などがかさみ、かなり割高だなあ、というものです。現地に行かずに商品を購入できるのは便利なのですが、1つ2つといった単位では、かなり割高になってしまいます
もちろん、良い品質のものが売られているというのも、価格が高い理由といえるでしょう。約4人に1人が、市販のものより通販の食品が美味しいと回答しています。輸送コストを除けば、値段の高さというのは品質の証明の裏返し、といえるでしょう。
【図3】通信販売を利用した感想
通信販売での食品の購入頻度
高いけれど美味しいこれらの食品、どのような頻度で購入されているのでしょうか。約4割の人が、2〜3ヶ月に1度の割合で購入しています。ついで、2割弱の人が、月に1回程度の利用となっています。サプリメントは1度の購入で2〜3ヶ月は使用できること、お試しで購入する頻度として、2〜3ヶ月程度が適当なのでしょう。一方、週1回以上購入をしている方が1割強います。食品の通信販売などで、定期的に商品が届くのかもしれませんね。
【図4】通信販売での食品の購入頻度
1回あたりの購入金額
最後に、購入金額についてみてみましょう。個人的にも気になるところです。最も多いのは、3000円弱です。“とりあえずのお試し”、という感じで購入をするとしたら、この程度の金額が妥当なのかも知れません。ついで、5000円〜1万円程度の予算となっています。ある程度の量を購入し、送料無料・割安にするとか、わざわざ通販を使うのだから、ある程度良いものを購入するため、価格帯が高くなるのかもしれませんね。
【図5】一回の購入金額
以上、自然食品・無農薬食品などの通信販売での購入について見てきました。現在、インターネットの発達や、無農薬食品の直販代行などが発達し、その一方で健康への意識の高まりや食育運動などから、直販形態での自然食品・無農薬食品の市場が広がりつつあるといえると思います。今後、高齢化社会の訪れと共に、健康に関する問題が、よりクローズアップされるでしょう。我々の体の根本である食品、体によいものを取り入れようとする運動は、今後、ますます発展していくと思います。皆さん、どうお考えになったでしょうか。
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