第3回目は、携帯電話を利用した通信販売についてです。
近年の携帯電話、その機能の上昇にはすごいものがありますね。例えば、自分の携帯を見てみると、カメラ機能は300万画素でデジタルカメラ並み、音楽が聴ける、ゲームができる、新幹線のチケットを購入できる、買い物も可能などなど。携帯電話でできることは、どんどん増えているようです。現在、インターネットでは、「楽天」や「アマゾン」等の企業を筆頭に、様々な商品が売買されています。そして、機能の向上が著しい携帯電話、その携帯を利用した通信販売は、現在どのような状況にあるのでしょうか。
携帯を使った商品購入頻度
【図1】携帯を使った商品購入頻度
現在、携帯電話を利用して、商品を購入する頻度は、2,3ヶ月に1回かそれ未満という人が一番多くなっています。次いで、月に1〜2回程度携帯通販を購入したことがあるという人が多くなっています。私は仕事柄、新幹線を利用しますが、携帯電話での予約は大変便利です。京都から東京に戻る際、どこかのカフェで同僚と一休みしながら、「エクスプレスE予約」を携帯電話から利用しています。列に並んで予約の間重い荷物を持つことがないため、大変便利です。「月に1回〜2回」というカテゴリーに入りそうです。
携帯電話は、現在、通信速度が速い3G携帯の普及率が3割前後であり、ちょうどブロードバンド普及前のインターネットと同じような状況であり、インフラ面においては過渡期にあるといえるでしょう。
購入したことのあるサービス・商品の種類
【図2】購入したことのあるサービス・商品の種類
携帯電話での購入サービス・商品は、圧倒的に着メロ、着歌、着動画で、携帯でモノ・サービスを購入した経験のある人のうち、6割の人が着メロ等を利用しています。最近ではマナー向上によって、公共の場での着メロに周りの人が顔をしかめる、といった風景はあまり見られなくなっていますが、それでも着信にかかわるコンテンツは、もっとも多くの市場を占めているようです。次いで売れているのが、待ちうけ画像(30%強)、ゲーム(30%弱)となっています。
私がよく利用している電車・飛行機の予約は15% 程度です。ビジネスでの利用ともいえるこれらの項目が6名に1名程度であることを考えると、現在はアミューズメントでの利用が主流といえるでしょう。今後は、決済サービスの提供が本格化すると、これらの構成が大きく変わる可能性を秘めているといえます。
サービス購入の時間帯
【図3】サービス購入の時間帯
これらの商品・サービスですが、購入時間帯は何時頃になるのでしょうか。もっとも多いのは帰宅後での利用で、30%強の人がこの時間帯で利用しています。次いで休日の利用が25% となっており、一息いれての利用が多いことがわかります。次いで、昼休み、出勤・通学中での利用となっています。どこでも利用できる、という携帯電話の利便性はあるものの、案外に細切れの時間での利用が少ないことを意味しているといえるでしょう。これは、データ転送速度の問題や、電波が届かない、移動中ではなかなか利用が難しい等の実態を表していると考えられます。全般的な傾向として、普通のPCとは違った場所・タイミングでの利用が多いことがうかがえます。まさに携帯電話ならではの特徴が現れていると言ってよいでしょう。
携帯での販売サービスを利用する理由
【図4】サービスを利用する理由(複数回答)
なぜ、携帯電話でモノやサービスを購入するのでしょうか? もっとも多い理由は「空いた時間に購入できるから」であり、5割を超える人がこのような理由で携帯電話を使っています。PCと違い、携帯電話は起動をする必要もなく、すぐに使える・どこでも使えるという特性を持っています。帰宅後・休日での利用が多いことと合わせて考えると、いわゆるリラックスし“ながら”の利用が多いと考えられます。
携帯を利用する上での不安要素
【図5】購入する際の不安点(複数回答)
携帯電話は、いつでもどこでもモノを買うことができますが、それ故の欠点も存在します。携帯電話での物品・サービスの利用について、多くの不安が現れた結果となりました。現在、5割強の人が不安に思っていることは、「迷惑メールがくるかもしれない」です。次いで、4割くらいの人が「商品が見えない」「クレジットなどの情報漏洩」「業者の信頼性」を不安要因としてあげています。着メロ等、即座に商品を購入できる商品でも実際にモノが郵送されてくるサービスでも、老舗の暖簾がない・知名度がまだ低い企業は、このような不安要素をいかに払拭するかが重要になってくるでしょう。
以上、ワンセグ放送開始、ナンバーポータビリティサービスの開始が行われる直前の、携帯電話における物品・サービス購入の利用状況を見てきました。現在、アミューズメント系の利用が多いこれらのサービスですが、今後インフラが整い、提供するサービスを享受できる携帯電話の利用が増えるにつれ、ビジネス等を含め、どのように市場が変化するか、興味深いところです。
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