社会貢献活動の費用対効果の評価をどのように捉えるべきですか。 | |
活動の性質により、資本効率的指標というよりもむしろ目標に対する達成度で評価することが妥当な場合が多いと考えられます。 |
社会貢献活動の評価はその意図することによって異なります。
活動の本来の趣旨がよき企業市民として社会との調和を高め、ひいてはレピュテーションを向上させる、もしくはレピュテーションリスクを低減させる、ということであれば、活動のブランド効果という観点から一定の前提を置いて価値評価をすることができます。
もっとも、それは資本効率的な観点での評価というよりも、いわば擬似的効果というべきものとなります。費用は発生しますが、収入は現実には発生しません。
このような場合、そもそも達成したい活動の目標に対して、かけた費用との見合いで達成度が高いか、低いか、という判断がまずあるべきでしょう。その上で、ブランド効果も評価し参考にする、ということが活動の趣旨に沿うものと考えられます。
ここで、もし実質的な利益を得たいという趣旨であれば、それは一種のマーケティング活動ということになりますので、投資収益率の観点で評価するのがむしろ活動の本来の目的に沿っていることになります。
しかし、いわゆる「良い会社」の要素として、収益は重要な部分を占めるが決して全てではないという前提に立って始めた社会貢献活動であれば、その本来の位置付けに沿って評価されるべきものと考えられます。当然、当該企業の収益状況によって活動内容は左右されますが、そのことと利益に貢献しなければならないかどうかは全く別問題でしょう。
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