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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第79回:マーケティングサイトの評価指標は事業貢献度である

Q Webサイトの評価指標には様々なものがありますが、マーケティングサイトにはどのようなものが適していますか。
A あくまで事業貢献度を最終目標として体系化すべきです。

企業Webサイトは大別して製品・サービスの情報を提供し、顧客や売上を獲得することを目的としたマーケティングサイトと、企業ブランドの価値を高めることを目的とした企業情報サイトに大別されます。

後者は売上等の事業成果との結びつきは非常にゆるやかで、むしろあまり強い関連性を求めることには無理があります。

これに対して、前者は事業との関わりが強いものであり、従って最終的な目標も事業にいかに貢献するか、という観点から設定されるべきものです。

一方、Webサイトに関連して様々な指標があります。アクセスログに基づく指標はその代表的なものです。ユーザーが何に興味があるか、どういう経路をたどった人がそのサイトでの購入率が高いかなど、アクセスログを分析することによって非常に有益な情報が得られれ、分析手法として多くの企業が取り入れるべき最も基本的なものになります。しかし、分析手法として有効であるということと目標指標とすべきものとは必ずしもイコールではありません。目標はあくまでそのサイトの目的に沿って設定されるべきで、たとえばユニークユーザー数を何人にするということは、中間目標になることはあっても、少なくとも経営的観点から受け入れられる最終目的とはなりにくいと考えられます。

しかし、しばしば、自分がしたいことに引きずられ、本来あるべき目標が担当者の潜在意識の中で歪められているケースがあります。

たとえばリッチで話題性のあるコンテンツを提供することに注力してきたがゆえに、それと売上との関係が示されれば目標を立てやすいと考えてしまうようなことがあります。残念ながら、こうした関係を直接的に示すことは大抵の場合困難です。クリエイティブが一要素となる可能性をすべて否定する必要はありませんが、事業貢献度はもっと複合的な要因で決まるものです。それをいかに解きほぐし、目標とすべきこととそのための手段をいかに峻別するかがマーケティングサイトを担う方の責務であると考えられます。

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