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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第68回:ブランドに投資するか営業員に費用をかけるか

Q 当社では、売上アップを目指して営業の大幅な増員計画があります。ブランドにも一定の投資をすべきとは思いますが、いかがでしょう。
A 今日はともかくとして明日の利益になると考え一定の投資をすべきです

営業員のプッシュこそが売上のキードライバーと考えている企業では、企業のブランド力が営業の強いサポートとなっている現状をなかなか認めない傾向にあります。とりわけ古くから営業員の飛び込み営業を中心に営業してきてその成功体験がある企業ではその傾向が強いようです。かりに一般論として認めたとしても、実際にはすぐに売上につながると思える営業員を増やすことが先にたち、ブランド投資をすることは永遠に後回しとなってしまうことがあります。

顧客の側からすると、営業員の「猛烈な」プッシュは時として非常に迷惑なことがあります。しかし、その情報を必要としているタイミングでは受け入れるこ素地があります。むしろ、営業員の訪問を受ける前に自ら問い合わせをすることも少なくないと思います。そのとき、自社の情報がターゲットにとって必要なものと感じてもらえるようにする上で、ブランド力が非常に役に立ちます。

また、いささか強引は言い方ですが、ニーズが発生するタイミングは営業員が巡回しようがブランドで需要を喚起しようが極端に変わるものではありません。将来に投資といっても、営業員を増やした成果が今日得られるならブランドへの投資は明日実現すると考え取り組む価値があります。

ブランド構築の投資先は色々とあります。テレビCMのように莫大な費用がかかるものもありますが、ウェブサイトのようにそれよりずっと少ない金額で済むものもあります。

営業員を一人雇用すると本人の給与以外に非常に多くの費用がかかることと比べ、経費となるブランド構築費用になると急にセーブしたくなる心理が多くの経営者に働くようです。しかし、費用対効果を冷静に判断する目を持つと、これまでブランドに対して何もしてこなかった企業ほど、かえってブランド投資の効果が得やすいこも少なくないのではないでしょうか。

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