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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第66回:企業ブランドの品質保証機能を強化する

Q 当社は商品ブランド中心の展開ですが、企業ブランドをどのように位置づけるべきでしょうか。
A 企業ブランドが商品ブランドの価値を高めるよう、企業ブランドにも投資をすべきです。

複数の商品ブランドを持ち、商品ブランド毎に組織が分かれ、マネジメントが行われている場合には、商品毎にブランドの訴求が行われることが多いと思います。業績評価も商品ブランド単位、ないしは事業単位で行われるため、なかなか個々のブランドマネージャーが企業ブランドまで考えて広告を行うことはしづらい面があります。一方、企業ブランドは本社管理部門の管轄のため、できるだけ費用は抑制したいという判断が働きやすいものです。

こうした中で、企業ブランドとは商品ブランドの寄せ集めであり、それ以上のものではないという状況が現出します。特に、食品や家庭用品によく見られる傾向ですが、消費者も、自分が利用する商品を通して企業を認識することはあっても、それ以外の面で企業を意識することは少なくなります。人によっては、商品はよく知っているが、それを提供する企業がどこかは全く知らないという状況が生まれます。

しかし、企業のさまざまなステークホルダーは、企業価値が単なる個々の商品の売上の集合であるとは考えません。企業としてどのようなビジョンに基づき、何を行おうとしているのか、CSRなど商品に直接的に関連する以外のさまざまな活動を通して価値ある企業かどうかを判断しようとします。

ステークホルダーは、その企業に対して持っている情報、あるいはそこから醸成されたイメージに基づいて行動します。ユーザーなら購買行動、投資家なら投資行動と、ステークホルダーにとっての企業ブランドの価値が関連する行動に影響するものと考えられます。

優れた企業ブランドに対しては、商品や株価にプレミアムがつくと考えられます。企業ブランドが商品ブランドをつなぐハブとなり、また品質を保証するという機能は、企業全体の活動の反映であり、投資する価値は十分にあると考えられます。

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