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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第65回:グループ企業のコーポレートブランド

Q グループ企業のコーポレートブランドは統一すべきでしょうか。
A コア事業かノンコア事業かでレベル分けするのが一つの考え方です。その際、ブランドネームだけでなく、ロゴマークなど名前以外のブランド要素も考慮した方がよいでしょう。

企業グループの拡大はさまざまな過程を経て行われます。子会社を設立する場合もあれば、その子会社が親会社から見れば孫会社にあたる会社を設立する場合もあります。さらに、M&Aによってもともとはまったく出自が異なる企業が新たに加わることもあります。こうしてグループが拡大していくうちに、中にはグループとは異なるブランドを持つ企業も現れます。

企業によっては、買収した企業にはすべて自社ブランドを冠するという方針で臨む会社があります。その対極として、ブランド名は各企業の自主性に委ねるという会社もあります。また、子会社が親会社のブランドを使いたい場合は申請を受けて審査する、というスタンスの会社もあります。グループとしてのブランド価値の最大化という観点からは、一つのコーポレートブランドで統一すべきと考えられます。

しかし、事業の内容によっては必ずしも統一することがブランド価値の最大化につながらない場合があります。コア事業とのシナジーが期待できないノンコア事業では、コア事業とブランドを共通化する意義は薄れます。それでも、信用補完という意義を考慮するとブランドネームはやはり共通にしたい場合が少なくないものと考えられます。

見落とされやすいのはロゴマークなど名前以外のブランド要素です。ノンコア事業については、コア事業とコーポレートブランドは共通化する一方、コア事業を想起させないロゴマークを使用するというやり方が洗練され、優れている場合があります。

このように、名前だけでなく、マークなどの要素も考慮して総合的に検討することが重要です。

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