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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第63回:経営統合におけるWebサイトの役割

Q 経営統合の際に果たすべきWebサイトの役割とはどのようなものでしょうか。
A ステークホルダーから見て統合効果を認識、理解できるものが望ましいと考えられます。

昨今、企業社会において事業再編が一つの潮流となっています。

企業同士では大型の経営統合の事例が報じられています。一口に経営統合といっても合併や買収、あるいは共同持株会社の設立などその形態にはさまざまなものがあります。

経営統合の形態にもよりますが、経営統合を実現するために、情報システムの統合、人事・給与制度の統合など、非常にエネルギーを要する課題に短期間のうちに取り組む必要があります。その中で、経営統合後のWebサイトにどのような役割を持たせるかも検討される必要があります。

特に、近年は元の企業同士の自主性の維持や対等感から共同持株会社の設立という形態が増えているように思います。この場合には、2つあるいはそれ以上の会社の情報システムや人事・給与制度の統合など難易度の高い問題は長期戦で取り組むことが可能になります。しかし、新会社の組織、体制やブランド、Webサイトなどは新たに構築する必要があります。

共同持株会社のコンテンツはIR情報(投資家向け情報)とCSR(企業の社会的責任)情報を中心に構成される企業が多いようです。

その中で、経営統合の効果をどのように組み立てているかが問われます。

最終的には統合によって企業価値が統合がなかった場合よりも高まらなければならないと考えられます。そのとき、企業価値を体現しているのはどのブランドなのか、というビジョンが必要となります。

特に、経営統合によって、旧社名はそのまま事業会社が使用しつつ、全く新しい社名を共同持株会社用に採用するケースがあります。このような場合にはなおさら、共同持株会社としての実態は何かが具体的に示される必要があると思います。仮に新社名の価値が個々の事業会社の財務的価値の合算に過ぎないのであれば、統合は財務的な見地から行われたものとなり、戦略的な価値が問われざるを得ないと考えられます。

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