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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第55回:メディアミックスの効果

Q メディアミックスによる広告効果の見方は最近ではどのように変わっているでしょうか。
A 単一のメディアでのプロモーション活動の弱点を補完し合うという見方が重要になっています。

これまで、メディアミックス戦略では、複数のメディアを組み合わせて多方面にコミュニケーション活動を展開し、その相乗効果によって高い効果を達成するということが行われてきました。

その前提として、テレビという圧倒的なリーチを誇るメディアが存在し、それを他のメディアで補強しつつ、様々なセールスプロモーションが更にその受け皿となる、という展開が可能な状況がありました。

しかし、今日では、テレビCMは年代によっては届きにくくなっており、必ずしも万能なメディアではなくなっています。新聞も同様です。雑誌の発行部数も低下傾向にあります。

このような状況の下で、消費者をあるメディアから別メディアに誘導し、そのプロセスの中で効果を高めていく、という方法は決して万能な方法ではなくなっています。

インターネットも例外ではなく、10代や60代など特定のセグメントに対してはリーチしづらいメディアとなっています。

このように一つ一つのメディアの力が低下する状況の下では、以前のようなメディアミックスの感覚は通用しなくなっています。したがって、テレビを始めとするマスメディアで対象者を一網打尽に告知して、さらに「続きはウェブで」とWebサイトに誘導しようとするのは、実はかなり費用対効果が悪いプロモーションだということを覚悟する必要があります。むしろ、メディアミックスでは、シンプルにメディアそれぞれの弱点をいかに補強するか、という観点が重要になってきます。

確かに広告注目度が高いとWebサイトへのアクセスは増える傾向にありますが、だからといってアクセスさせることを第一次目標とするのが果たして最良の策かどうか、よく吟味する必要があると思います。

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