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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第50回:ブランド広告における効果と効率

Q マスメディアを使った広告より対象者がセグメント化されたネット広告の方が効率的に思えます。企業広告をネット広告一本にした方がよいのではないですか。
A 効果と効率を勘案して決めるべきです。

企業ブランド向上を目的とした広告媒体として、従来から新聞などのマスメディアが広く用いられてきました。

図1

【図1】

しかし、広く一般消費者を対象とした商品を扱う企業ならともかく、BtoBのように対象者がある程度絞られた企業の場合、これはとても効率が悪い方法に見えます。たとえば、本来は会社の上の人を対象としたい、という場合であれば、発行される数百万部に掲載された広告のうち、実際にターゲットに届くのはほんの数%にすぎません。

図2

【図2】

これに対して、関連キーワードを指定したリスティング広告や、特定の関心がある人が集まるサイトにバナー広告などインターネットの広告は、対象者が絞り込まれている分、効率がよいといえます。

しかし、多くの人に到達するか、というとまた別問題となります。

ターゲットにもよりますが、対象者が絞られている分、今度は絶対数が限られる、ということが起こります。分母となる対象者の数が小さい分、小さい分子でも率としては大きい、ということがいえます。

結局、「全ての対象者をもれなくカバーしてしかも余りもない」というメディアはなかなか作るのが難しく、絞ればもれも出る、もれなくカバーすれば余りも出る、ということは承知しておいた方がよいと思います。

一つのメディアに多くを期待しすぎるのがそもそも無理があるということもできます。

むしろ、色々と組み合わせて効果と効率を追求するのがメディア同士でお互いに補完しあい、望ましいことが多いと考えられます。

当然、組み合わせは戦略的に行われるべきであり、そのやり方は各社のブランド戦略の巧拙が問われるところとなると思います。

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