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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第26回:著作物へのCopyright表示

Q 著作権を守るためには(c)などの表示が必要なのでしょうか。
A 権利そのものには影響ありませんが、何らかの権利主張をする表示があるに越したことはありません。

ブランドエクイティの要素のうち、著作物などの権利に対する注目度が高まっています。そこで、著作権を主張するため(c)マークなどのcopyright表示をしている著作物をよく見かけます。

ところで著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」ではは登録などの手続きを行わなくても著作物を作った時点で自動的に著作権が認められる取り決めになっています(無方式主義)。わが国もこの条約に加盟していますので、わが国の著作権法では無方式主義が採られています。したがって国内で著作権を主張するためにゥマークをつける法的意義は全くありません。(著作権法にはCマークに関する条文はありません。)

また、ベルヌ条約には欧米主要国が参加して著作権制度の国際的な調和が図られています。したがって、日本で著作権が認められるものはそのまま海外でも著作権が認められます。

ところが、世界の一部の国はベルヌ条約に加盟せず、著作権を取得するために登録や公証人による証明を必要しています。(方式主義)

しかし、外国人がいちいちこれらの国々で登録手続きを行うのは大変なことです。そこで、そのような面倒なことをしなくても、ゥの記号を用いれば、方式主義の国でも著作権が認められるようにする、ということが国際条約で取り決められています。

以前には米国が方式主義を採っていた時代もありましたが、今日では米国もベルヌ条約に加盟したため、この問題に気を配る必要が実際上ほとんどなくなりました。むしろ、その著作物が誰のいつの作品であるかを著作物中にきちんと表示しておくことが重要です。

それから、一切の複製を禁ずるというような表示は、著作権法では批評、研究、報道などを目的とする場合に公開された著作物の引用を認めているため、法的な歯止めにはなりません。もっとも、コピーして欲しくないという意思表示にはなると思います。

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