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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第22回: マイナスイメージの払拭

Q 不祥事のために悪くなった会社のイメージを良くしたいのですが。
A 過去を打ち消そうとするより、良い情報を出すことに注力すべきです。

不祥事を始めとする過去の出来事によって悪くなってしまった会社や業界のイメージを向上させることはできないか、という相談を受けることがあります。

残念ながら、程度の問題はありますが、過去の不快な思い出は人の記憶からなかなか消えないものです。したがって、不都合な事実がもたらした不利なイメージを払拭するための努力は非常に大きな困難に直面します。

しかし、公序良俗に反するものは別として、どのようなビジネスにも社会的意義があり、それゆえにゴーイングコンサーン(継続して事業活動を行う存在)であるといえます。ことさらに負の部分を意識するのではなく、その会社や業界が本来持つ価値に注目し、それを社会に伝達することの方が本来的なあり方ではないかと思われます。

かつて、産廃業者といえば不法投棄などさまざまな問題から非常に悪いイメージがつきまとっていました。

しかし、環境問題に対して消費者の目が厳しくなったことを背景に次第に注目度が高まってきました。処理業者だけでなく排出業者が最終処分までの責任を負わなければならないとする新たな規制を契機として、大手企業が率先してリサイクルに取り組む機運が高まりました。

処理業界の中にISO14000シリーズ、エコマークなどの認定制度を活用するなどによって経営改善に取り組む動きが見られました。また、リサイクルを始め環境対策に注目した新しい企業の参入も盛んに行われました。

こうした各企業は環境への取り組みを自社のPRに積極的に取り入れました。今日ではリサイクル=重要かつ有益なこと、という消費者の好意的なイメージが形成されていると思います。

このように、低イメージには不祥事にまつわるものだけでなく無知に由来する部分が相当あり、後者についてはその会社や業界に関する理解が進むことによって次第に解消することが期待できると考えられます。

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