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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第2回: 子会社のブランディング

Q 当社では、大会社である親会社のブランドを使ってビジネスを行なっています。ブランドで親会社に大きく依存している中で、子会社である当社のブランド戦略はどのように進めたらよいでしょうか。
A 会社独自の強みを発揮することが重要です。

多くの子会社では、知名度や信用力の点でどうしても親会社のブランドの力を借りざるを得ない場合が少なくありません。

しかし、特徴的な独自の商品やサービスを持っているのであれば、それに固有のブランド名をつけることは非常に有効と考えられます。自社および当該ブランドの認知度が低い段階では親会社のブランドをうまく利用しながら、次第に自社ブランドを浸透させていくことが考えられます。

たとえば、NTTドコモは、当初、NTTブランドを冠することによって自社の知名度の低さを補ってきました。しかし携帯電話の普及と、i-modeのヒットにより、後には「i-mode」というサービスブランドがドコモブランドを高め、さらにそれがNTTブランドの価値を高める効果をもたらしています。この関係はヒット商品とコーポレートブランドとの関係に似ています。(図1)

かりに「i-mode」ではなく、たとえば「双方向型パケット通信情報サービス」などと命名していれば、これほどヒットしなかったのではないか、と思われるくらい、i-modeブランドは大きな成功であったと思われます。

よく、グループブランドは使用方法などについて親会社で細かくルールを決められている上、ブランド使用料を徴収されるため、親会社とは全く別のブランド戦略を展開したいと考える会社もあるかと思います。

しかし、単にグループブランドを利用するだけでなく、グループ全体の価値を高めることにつながる戦略をまずは検討すべきではないかと考えられます。

こうして、グループでシナジーを高めあうブランド戦略を親会社と協議する土壌を作る方が結局はメリットが大きいと考えられます。

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