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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第18回:企業ブランドと商品ブランド -その2-

Q 企業ブランドと製品ブランドをどのように位置付けていくべきか検討したいのですが、何かヒントは。
A 相乗効果が得られるようなブランド戦略を検討してはいかがでしょう。
図1

企業ブランドと製品ブランドの位置関係を調べてみると、いくつかのパターンがあることがわかります。

一つは、非常に強い企業ブランドと、弱い製品ブランドの集まりから成り立っているパターンです。(図表1)

差別化された製品がないため、製品のブランド力が単独で強化されることがなく、製品ブランド力はいつも企業ブランド力に依存しています。日本企業によく見られるパターンであるといえます。

次に、製品ブランドが分散し、一定のベクトルに沿っておらず、企業ブランドがその中の中間的な位置にある場合があります。(図表2)

図2

仮に、明確なビジョンに沿って製品開発を行ってこなかった結果、このような拡散されたブランドイメージができてしまったのなら問題です。二番煎じの製品を総花的に出している企業でしばしば見られる現象です。

三番目に、企業イメージをリードする強い製品ブランドがあり、それ以外の弱い製品ブランドを含め、全体として一つのベクトルに沿っているようなパターンです。(図表3)

世界初の製品を次々と生み出してきたソニーはこのような形で企業ブランドと製品ブランドの相乗効果でブランド力を高めてきた歴史を持っています。また、最近では液晶製品を通じて高いブランドイメージを築きつつあるシャープがこのような好サイクルにあると思います。

図3

このようにして見ると、「企業ブランドか製品ブランドか」という二者択一ではなく、企業ブランドと製品ブランドがお互いに強化しあうような戦略を立てることが理想的であるように思われます。そして、このような戦略が実行できるかどうかは、その企業に明確なブランドビジョンがあり、組織の中でそれが共有され、浸透しているかが非常に重要であると考えられます。

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