商品に対する評価ならまだしも、消費者にとって接点のない経営者や組織を消費者が評価するのはどうかと思うのですが。 | |
会社評価も購買決定に影響を及ぼしており、無視することはできません。 |
一般消費者が購入するような商品であれば、消費者によるその商品の評価は売れ行きに直結し無視できないものということは一般によく認識されていると思います。
一方、会社の経営内容、組織能力、経営者の善し悪しなどは、内部の人間か、よほどその業界に精通した人でなければなかなか評価が難しいの実態です。
そこで、「会社の評価を一般消費者が行うのはそもそも無理があり、そんな評価には信憑性がない。」という議論が登場します。
しかし、消費者調査で調べていることは、あくまでその会社のブランド力であり、これで経営診断を行おうとしているわけではありません。
より重要なこととして、消費者からの会社評価は購買決定要因の一つとして、消費者の購買行動を左右していることが挙げられます。
実際、消費者がどういう理由で製品の購買を決定しているかを調べると、製品そのものに対する評価(たとえば製品が優れている)と、企業に対する評価(たとえば一流である)と、その企業の組織や人材に対する評価(たとえば人材が優秀である)が主要な要因になっていることがあります。やってみると、多くのケースで、製品に対する評価がもっとも重要であるという結果が得られると思われます。同時に、企業や人材に対する評価も、製品ほどではないにしてもそれなりのウエイトを持っていることが少なくありません。(図参照)
もし仮に、消費者が製品を選択する理由として製品そのものに対する評価を最も重視していたとしたも、製品に対する評価で差がつかなければ、次に重視する理由によって製品が選ばれる可能性が高くなります。
このような現象は、BtoCだけでなく、BtoBの分野でむしろよく見られるのではないかと思われます。