BtoB企業ではターゲットが限定されるため、マスメディアを使った広告宣伝の効果はあまりないように思うのですが。 | |
人的営業だけでは難しい効果が達成できることがあります。 |
BtoB企業では、対象顧客が絞られること、営業対象が企業の特定部署にかたよりやすいこと、技術型や説得型の商品が多くて広告では内容を伝えきれないこと、費用がかかりすぎること、などの理由により、広告宣伝を全くないしはほとんど行わない企業が少なくありません。その一方で、上手に広告を出し、効果を挙げている企業も見受けられます。
たとえば情報システムの導入を行っている企業の中には、どちらかといえば下請け的にプログラマを派遣し、もっぱら顧客企業の指示を受けて作業する会社もあれば、自らをコンサルティング会社と位置づけ、顧客企業の変革の手法をITソリューションにとどまらず総合的に提供しようとする会社もあります。
サービスが後者の要素を多く含むほど、購買決定者は経営者や上級管理者が中心となります。このような層に効果的にアプローチする営業方法が求められますが、DMや飛び込み営業では成果を挙げることが容易ではありません。また、伝えるべき内容も抽象的な概念をかなり含むため、最終的には人対人のプレゼンテーションで決まるとしても、事前に少しでも理解を得ておくことが重要になります。
このように考えると、広告を通じて企業のメッセージをターゲット層に伝えることで事前に受容性を高めておくことは、その後の営業を支援する上で非常に効果的である場合が考えられます。
実際、似たようなサービスを展開しているITコンサルティング会社の間で企業ブランド力を比較すると、その差の一つの要因として広告の巧拙が関係している、という事例があります。こうした企業では、ブランド力の差は単価の差となって現れ、収益力にストレートに響いてきます。
業界の置かれた状況や自社の戦略によっては、BtoB企業においても、広告をブランド構築に積極的に活用することは検討に値する、と思われます。