MENU

Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Webブランディングのエッセンス

第9回:事例研究ー業界別傾向

サイトがユーザーからどのように評価されているか、「企業情報サイト調査2005」の結果をもとに、業界別の傾向を見てみたいと思います。

企業情報サイトランキング

【図1】企業情報サイト指数(CCサイト指数)ランキング
※以下データはすべて「企業情報サイト調査2005」より
業種別ランキング

【図2】業種別ランキング

ランキングの上位は飲料・食品業界が多くを占めます。この業界にはアクセスが多く、好感度も高いサイトが数多くあります。ただし、上下の差が激しく、上はキリンビール、アサヒビール、サントリーのように、日本を代表するといってもよい人気のWebサイトが数多くありますが、平均以下のサイトもあります。一般にサイト効果は高く、「また見たい」とか「サイトを見て会社や商品に興味をもった」と感じる人の割合が多い業界です。

これに対して、電機業界は全体的にアクセスは多いのですが、閲覧後の好感度はそれほど高くない場合が少なくありません。いわゆる人気業界なのでたくさんの人が関心を持ち、アクセスしているのですが、少なくとも企業情報は期待はずれのこともあるようです。また、この業界も上下の差が激しいのが特徴です。

同様の傾向は情報通信の業界にも見られます。そして、この傾向はより著しくなります。特に携帯電話の会社は、アクセスは抜群に多いのですが、好感度はそれほどでもなく、平均的よりは少し上、というレベルにとどまっているようです。

運輸業界も差が激しい業界です。この中では、ANA、JALといった航空会社のように全般的に評価が高い会社がある反面、日本郵政公社のように、アクセスは抜群に多いが、好感度は平均以下、というところもあります。もっとも、民営化に伴いこれからはまた違ってくるでしょう。

自動車業界は日産、トヨタ、ホンダの3社が飛び抜けています。そして、リアルの世界ではトヨタが断然トップ企業ですが、Webの世界では日産がリードすることも少なくないようです。このように、リアルブランドではトップ企業に及ばなくても、Webではトップを凌駕するチャンスが大きいのがWebブランディングの特徴の一つといえます。

素材メーカーや住宅関係の会社はおおむねアクセスは上記の業界ほど多くありません。しかし、中には、TOTOやINAXのように、実際に閲覧してもらうと非常に好感されるWebサイトがあります。しかし、全体的な傾向としては、まだまだWebサイトは改善の余地があるようです。

このように、アクセス度とサイト好感度の関係を見ることによって、そのWebサイトをどのような方向で改善すればよいのか、手がかりが得られることがあります。

印刷する 印刷する