BtoBが中心の会社におけるBtoC事業の位置付けをどのように捉えますか。 | |
ブランドの視点からは、非常に価値が高いと考えられます。 |
一般に、BtoB企業にはあまりブランド投資を行わないケースが多いようです。
BtoBではターゲットが絞られることが多いので、個別に訪問した方がよいと判断されるケースも少なくないと思われます。これは既存顧客のみを対象とするときには効率的ですが、新規顧客への広がりを考えたときに、マーケティングを行う必要が生じてきます。
その場合でも、BtoBでは対象ができるだけターゲットに絞り込まれた媒体の方を好みます。これは当然のように見えますが、残念ながら自社のターゲットにターゲットが過不足なく集約された媒体はそう都合よくあるものではありません。仮にあったとしても、その状態を実現するためにかかった費用は媒体費用として跳ね返ります。絞られる過程でこぼれ落ちた対象者もいます。むしろターゲットは緩やかに絞られた媒体の方がより多くの対象者に到達するということがあります。
これに対して、BtoCでは他社と差別化し、消費者の購買意欲を喚起するため積極的にブランド投資を行うケースが多く見られます。そのために、最終的な購入者以外にも広くあまねくメッセージを伝達することがあります。
BtoBから見ると、このようなBtoCのマーケティングには一見、とても無駄が非常に多いように見えます。しかし、組織としてどこかの法人・団体に所属している人も、個人としては一般消費者という一面を持っています。BtoCのブランド訴求がターゲット法人顧客の構成員に到達し、BtoC、BtoCの区別なくその企業のブランド価値を高めているとすれば、BtoC事業のブランド貢献は非常に高いものとなります。
しかし、このことをもってBtoC事業の赤字を正当化することは難しいと考えられます。たとえば、ブランド価値と赤字額を比較し、プラスであれば事業を存続させる、という判断は、現実のキャッシュアウトが続いている状況では下しにくいでしょう。BtoC事業がBtoB事業ほど高収益である必要はありませんが、少なくとも収支トントン以上ではあって欲しいものです。
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