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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第78回:良い誤差と悪い誤差

Q 調査で「この程度の差は誤差範囲」などとよく言いますが、それはどのような誤差なのでしょうか。
A 系統誤差と標本誤差があり、前者がより悪い誤差である一方、後者は標本調査につきものの誤差です。

調査には誤差がつきものです。

そのうち、不適切な方法を取ることによって不正なあるいはゆがんだ結果が現れた誤差のことを系統誤差といいます。

系統誤差が発生する原因は様々ですが、一例を挙げると誘導的設問によるものがあります。

たとえば、「あなたは消費税のアップに賛成ですか」という質問に対して用意された回答の選択肢に、「財政の破綻を避けるために止むを得ない」、「たとえ国家財政が破綻しようとも自分の支出が増えるから反対」という2つが用意されていたとします。その結果は、単に「賛成」、「反対」の選択肢が与えられた場合と比べ、歪んだものになる可能性が高いといえます。

一方、調査には全数調査(悉皆調査)と標本調査(サンプル調査)があります。

もし「許されるなら」望ましいのは全数調査であることはいうまでもありません。しかし、実現性や経済性の観点から多くの調査は母集団から一定の数のサンプル(標本)を抽出して行う標本調査とならざるを得ません。

標本調査には、抽出された標本の平均や分散などの統計量が母集団の統計量から一定の確率で外れる可能性を持っています。このような性質に基づく誤差を標本誤差といいます。

系統誤差は悪い誤差であり、調査を行う上で可能な限り排除できるよう努めるべき対象となります。

一方、標本誤差は標本数(サンプル数)が大きくなるほど少なくなりますが、全数調査でない限りゼロにはできません。標本誤差は有意差検定など統計解析の対象とはなるものの、標本調査という手段を選択する以上、その存在自体は許容すべきものとなります。

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