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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

実践!ブランド戦略

第42回:定期調査の利用方法は?

Q 「Web Equity」など、定期的なランキング調査のデータですが、どのように利用したらよいでしょうか。
A あくまで定点観測として利用し、更に踏み込んだことを知るには自社用にカスタマイズした調査を行うとよいでしょう。

ブランド関係で様々な調査機関が調査結果を定期的にランキングの形で公表しています。多くの場合、調査結果の概要はマスメディアで公表されるとともに、データを購入することができます。弊社でもWeb Equity、CCサイト調査、B to Bサイト調査など、ランキング調査でデータのご提供を行っております。こうした調査では、多くの企業で調査結果をシェアすることにより、個別に調査するよりもはるかに安い費用でデータを利用することが可能になります。

一般に、調査は何らかの仮説に基づいてそれを検証するために行います。しかし、定期調査では業界が異なる多様なブランドを一律の基準でランク付けするため、評価基準を統一することに重点が置かれています。したがって、多くの場合、検証する仮説というべきものは明確に存在しないか、少なくともあまり絞り込まれてはいません。弊社では、個別にランキングの結果を報告する場合にはある程度踏み込んだ分析や提案を盛り込むようにしております。しかし一般的にいってランキング調査では、業種の違いを無視して共通的な部分だけを調査しますので、踏み込んだ分析はなかなか難しいことが多いのが実情です。

このように、定期調査は一般的に言って、自社のブランドが世の中で概ねどういう位置づけにあるのかを知るのに適しています。そこで、定期調査を利用し、何か問題があるかどうか文字通り”定期”的なモニターを行い、問題点の把握、原因の分析、仮説の検証は、自社用にカスタマイズした個別の調査で行う、という使い分けが望ましいと考えられます。定期調査と個別調査、この二つの調査は得られるデータの広さと深さが異なりますので、うまく使い分けることをお勧めします。

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