インターネットを利用した画期的な商売のやり方を考えました。ビジネスモデル特許を取得すれば模倣を防ぐことはできるでしょうか。 | |
アイデアそのものを特許で守るのは容易でないと考えられます。ただし、先行者として広く認知されればブランドとして確立される可能性は高くなります。 |
いわゆるビジネスモデル特許が脚光を浴びた時期がありました。ビジネスモデル特許という言葉から、あたかも事業方法や営業方法そのものが特許で保護されると受け止める方も少なくなかったようです。しかし、こういった案件は、特許法第2条に規定される発明、すなわち「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」、に該当しないため、保護の対象ではありません。
今日では、ビジネスモデル特許とは情報技術(IT)を活用したソフトウエア特許の一種と考えられています。特許庁は、ビジネス方法の特許がどのような基準のもとに認められるのか、公表しています。それによると、単にこれまで人間が行っていたことを情報技術(IT)で置き換えるといった案件は、特許として認められないことが明示されています。
特許庁によれば、ビジネス関連発明が特許として認められる割合は8%(2003年、全体平均は50%)と低く、この分野で審査請求された案件の多くが特許性が低いと判断される、という結果になっています。
もちろん、そのアイデアがどういうものかによりますが、一般的にいって、特許には過大な期待を抱かない方がよいと考えられます。
もっとも、特許を取得できるかどうかということと、それがビジネスとして成功するかどうかということは、全く別次元の話です。
たとえば、アマゾンドットコムは確かに”ワンクリック特許”という特許を持っています。しかし、ビジネスの基盤はそれに依存しているわけではありません。むしろ、サイトの便利さや品揃え、注文のしやすさ、ロジスティックスなどの総合的なものから成り立っていると考えられます。加えて、その分野(オンラインショッピング)において先行したことから強いブランド力を確立しえたという点もまた、競争優位の源泉になっていると考えられます。
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