コンセプト
マーケティング投資は、企業が支出するための費用としてしばしば金額的重要性という視点からも、顧客を創造し売上を獲得するという観点からも、極めて重要な位置付けを占めます。
しかし、しばしば売上予算が達成されておれば、投下した経営資源に対する効率性からの評価はあいまいにされることが少なくありません。このような状態は、経営の健全性を維持し、持続的成長を達成するためには決して望ましいことではありません。
マーケティング投資の投資対効果を評価することによって、企業としての適切な資源配分を支援します。
アプローチ(1) 基本枠組み
キャッシュの時間的価値を考慮し、投資対象の内部収益率(IRR)ないしはNPV(Net Present Value)を求めます(【図1】)。
【図1】基本枠組み
アプローチ(2) 評価単位の設定
ROIを算出するためには、投資と収益の間に対応関係があることが要件となります。
したがって、追加的投資と追加的収益の関係が区分できるものが評価対象となります。たとえば、従来から販売している製品で、単に売上・経費予算が計上されているだけでは評価は困難ですが、特定の目標達成のために追加的にキャンペーンを行う場合などでは、追加された部分を独立した評価対象として扱うことができます(【図2】)。
【図2】評価単位の設定
アプローチ(3) 投資の把握
マーケティング投資における「投資」は、設備投資の場合の資本的支出とは同じではありません。特定の顧客を獲得するために初期段階で支出するすべてのマーケティング費用を含みます(【図3】)。