ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

実践!ブランド戦略

第141回:市場別ブランドとしての企業ブランド

Q 「ユニクロ」ブランドに対する「ファーストリテイリング」ブランドをどのように捉えると良いですか。
A ユニクロとは異なる市場をターゲットとしたブランドであるという見方ができると思います。

企業ブランドに対する商品ブランドないしサービスブランドの関係として、一般に企業ブランドがサービスブランドに信用を与える機能があります。

しかし、ユニクロで商品を購入する一般消費者の多くは、ユニクロブランドを選択している意識はあっても、ブランドの所有者であるファーストリテイリングを選択しているという意識はまったくないものと考えられます。中にはファーストリテイリングという会社名すら知らないという方も少なくないと考えられます。

一方、株式市場ではファーストリテイリングとして認識され、ユニクロとしては取引されていません。たとえ投資家の知識としてユニクロという優れたブランドを所有している会社であると認識していても、それがユニクロブランドを強化しているとも思われません。むしろ、ユニクロというサービスブランドがファーストリテイリングブランドを強化しているとさえいえそうな状況です。同様のことは、採用市場や、業者間取引市場でもいえると思います。

このような関係は、企業ブランドの傘の下に商品ブランドがあるというような、両者間に上下関係をつける捉え方をするより、それぞれが異なる役割を持ったブランドであると捉えた方がわかりやすいと思います。

具体的には、サービスブランドは一般消費者市場を主な対象とし、企業ブランドは法人格が意味を持つ市場を主な対象としているという捉え方です。

このような見方に立つと、よくある「企業ブランドと商品ブランドのどちらを重視すべきか」といった議論も、おのずと回答の道筋はできるのではないかと考えられます。

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