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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Webブランディングのエッセンス

第5回:消費者調査のポイント

効果的な調査にするためのポイント

前回はサイト評価の手法をいくつか紹介しましたが、今回はその中で関心が高い消費者調査について説明します。自社ホームページがユーザーからどのように評価されているかを知るためには、消費者調査が有効です。

消費者調査のポイントとして以下の3点が挙げられます。

  1. 仮説検証型か、課題探索型か、調査目的を明確にして行うこと
  2. ロイヤルユーザーだけでなく潜在的なユーザーも対象とすること
  3. 他社との相対比較を行うこと

それぞれについて説明を加えます。

1.仮説検証型か、課題探索型か、調査目的を明確にして行うこと

調査には必ず目的があります。漠然とどんなものか調べよう、ということでは、なかなか有効なアウトプットを導くことはできません。

調査は基本的に仮説を検証するために行うべきですが、実際には探索的な方法を採らざるを得ないことがあります。その場合でも、想定される問題点の所在の目星はつけて行うことが重要となります。

極論すれば、アンケート調査そのものは誰にでもできるように見えます。しかし、調査結果を有効なものにできるかどうかは、Webサイトのことをよく理解し、ある程度の経験を持った人が関与することが重要となります。

2.ロイヤルユーザーだけでなく潜在的なユーザーも対象とすること

【図1】

【図1】

消費者調査として最も容易かつ安価に行えるのは、自社サイトへの来訪者、とりわけメルマガ会員などの登録者に対するアンケートです。

しかし、会員しか閲覧できないコンテンツについてそのCSを調べる、ということが主要な目的となっている場合は別ですが、自社サイトに頻繁にアクセスしている人にアンケートを取ると、多くの場合ユーザーの満足度は非常に高いという結果が得られます。しかし、もともと自社サイトに対してロイヤルティが高い人たちなので、結果は「いわゆる下駄を履いた」ものとなってしまいます。このようなことを避けるため、あまりそのサイトにアクセス経験のない人や、初めてアクセスする人たちを調査モニターに入れておくことが重要となります。

3.他社との相対比較を行うこと

マーケティングの世界では市場や競合企業の分析は当たり前となっていますが、Webの世界も例外ではありません。

例えば、「自社のサイトに満足している人が50%いる」という結果が得られても、それが果たして高いのか、低いのかは他との相対比較でなければ分かりません。経年変化は自社だけでもできますので、前年の自社サイトと今年の自社サイトの比較をすれば、ある意味では相対比較を行ったといえます。しかし、仮に昨年より評価が上がっても、他社も一律に上がったのか、自社が相対的に評価が良くなったのか、が分からないと水準の評価は厳密には難しいと考えられます。

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