コンセプト
複数の広告媒体に広告出稿した場合、相乗効果によって単一の媒体に広告出稿するよりも高い効果が期待できるのがクロスメディアの広告です。
特に、最近はインターネットを情報のハブとして利用する広告戦略が増えています。その一つの表れがインターネット誘導型の広告です。
そこで、広告出稿後のアクセスログ解析によってその効果を測定する手法が用いられるようになっています。
しかし、ログ解析だけでは商品認知度、イメージ、購入意向などに対してどれだけ効果があったのかを測ることはできません。インターネット以外の媒体を複数用いたクロスメディア戦略ではなおさらです。
そこで、消費者調査を加味し、単一の媒体を用いた場合と比べてどれだけプラスアルファの効果があったかを明らかにします。
アプローチ
複数の媒体に接触することによって、単一の媒体以上に高い効果が得られたかどうかを検証することが基本的な枠組みとなります(図1)。
【図1】基本的な枠組み
留意点
該当する媒体への接触者と非接触者を抽出した事後調査では、情報が広く消化されたあとのブランドイメージを把握することができます。また、時系列での推移を把握することができます。
しかし、複数の媒体に接触した人では記憶が混ざってしまい、情報源を特定することが困難になることが少なくありません。特に、テレビのような圧倒的なリーチを持つ媒体があると、その影響を常に考慮する必要があります。
そのため何らかの工夫が必要となることが少なくありません。
たとえば、
- 媒体によって問い合わせ経路を分ける
- メディア接触直後の印象を記録する
- 特定の媒体に接触頻度が高いサンプルをあらかじめ確保しておく
検証すべき内容によっては、広告計画の段階で効果測定まで考慮しておくことが重要となります。
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