案件の状況
- IT関連企業である。
- リピートオーダー率が低いことが問題視されていた。
- 原因として、エンジニアの対応に顧客が満足していないことが考えられた。
- 当初、経営陣はエンジニアの質に問題があるためと考えていた。
- しかし、プロジェクトチームは、本当の問題はより組織構造的な部分にあるのではないかと予想した。
検討内容(1)エンジニアに対する評価
- 個々のエンジニアに対する評価は、競合と比べて決して低くなかった。
- 顧客の不満はエンジニア一人ひとりの属人的な対応にあるのではなく、より組織的・構造的な部分にあると考えられた。
検討内容(2)評価と満足度の関係
- 満足度に対する影響が大きいのは、エンジニアの対応についての評価よりも、納期(≒エンジニアが到着するまでの時間)に対する不満であった。
- 問い合わせを受けてから対応するまでの体制に問題があると考えられた。
検討内容(3)サポート体制の比較
- 競合企業は多くの人的資源を投入したサービス網を確立し、問い合わせに対して迅速に人員を投入する体制を築いていた。
- 特に、地域に密着したディーラーによる対応が優れていた。
- 一方、自社は自前主義にこだわった結果、サービス網が限られ、しかも本社の対応に対する評判が芳しくなかった。
提言
- 競合と同一レベルのサービス網を自前で整備するのは投資、年月ともかかり過ぎるため、非現実的と考えられた。
- そこで、他社とのアライアンスの必要性が認識された。
- しかし、その場合には、従来(自社のみで処理)の業務フローを大幅に変更する必要があった。
- これを機に、顧客サービスに関わる業務プロセスを抜本的に見直すことが有益であると考えられた。