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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

サポート調査結果分析2015

第1回: サポートサイトの利用目的

最も多いのは「製品の使い方を調べる」と「購入の参考にする」

グラフはサポートサイトを利用した人に対してその利用目的を尋ねた結果である。

最も回答が多かったのは「製品の使い方を調べる」(29.9%)と「購入の参考にする」(29.3%)で、全体のおよそ3割を占める。

「製品の使い方を調べる」はサポートサイトの利用目的として最も想定されるものだが、取扱説明書のように本来は製品購入者に製品の使い方を参照する目的で提供されているコンテンツが、多くの潜在的ユーザーによって購入の参考にするために利用されていることが示唆されている。このようなユーザーは、商品情報ページではわからない細かな仕様や使い勝手を購入の参考にするため利用しているものと考えられる。

多くのWebページにはターゲットが設定されている。電気製品などではサポートサイトの想定ターゲットは購入者であり、購入検討中のユーザーが多いとは思いつつもあえてターゲットとしていないことが多いと考えられる。一方、食品や化粧品は購入検討者をメインターゲットとしたサイト設計になっていることが少なくないと考えられる。

なお、前回調査では「トラブル・故障の解決」(25.9%)が最も多かった。ただし、前回調査とは調査対象者(前回調査では電話サポートの利用者が含まれる)、調査対象企業(前回調査では食品会社は対象外)など調査の前提条件が異なるため単純比較はできない。

複数回答、回答者の割合,製品の使い方を調べる29.9%,購入の参考にする29.3%,各種手続きを行う19.6%,トラブル・故障の解決14.1%,問い合わせ先を調べる12.0%,製品の原材料や製法について知る10.8%,ソフトやデータをダウンロードする9.5%,消耗品や関連商品を購入する6.3%,その他16.3%

「問い合わせ先を調べる」は要注意

サポートサイトを運営する重要な目的は、CS向上はもちろんだが、もう一つはユーザーの自己解決を促し、電話を減らすことで、莫大なコストがかかっているコールセンターの費用を抑制することである。

そこで、企業によっては問い合わせ先の電話番号がユーザーの眼にできるだけ触れないように、連絡先があるページに移動しようとすると「FAQはご覧いただけましたか」と促したり、連絡先そのものを見つけづらい下層ページに置いたり、極端な場合には電話番号を掲載しなかったりする。

しかし、全体の12%を占める「問い合わせ先を調べる」目的でアクセスしたユーザーがそう都合よくアクセス目的を変更してくれることはあまり期待できないのではないか。

割り切って電話回線を廃止するならともかく、むしろ多くの場合、問い合わせを調べたいユーザーにはできるだけ早く所期の目的を達成してもらったほうが望ましいのではないかと考えられる。

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