ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

サポート調査結果分析2014

第5回: サポート利用者の行動推移 医療保険のケース

サポートサイト上で問題解決できないユーザーが多い

図はサポートサイトユーザーの行動の流れについて、医療保険業界各社の平均値を示したものである。数値はサポートサイト利用者を100としたときのそれぞれの割合である。破線枠内の数字は医療保険業界、破線枠外の数字は他業界を含む全体平均の値を示す。

サポートサイトを利用する目的が最初から「問い合わせ」である人の割合は平均(21%)より多い(27%)ものの、問い合わせ以外の目的の来訪者が主であることは全体と変わりない。もっとも、サイト上で問題解決できた人は22%と、全体平均(27%)より少ない。多く(78%)は問題未解決のままウェブサイトを離れ、結果的にウェブサイト以外のサポート手段を利用する人の割合(77%)は全体平均(71%)より大きいというのが現状である。

医療保険業界のサポートサイトにおける行動推移

【図1】医療保険業界のサポートサイトにおける行動推移

電話に頼ることが多い業界

もともと問い合わせするつもりでサポートサイトに来訪した27%に対して、ウェブサイト利用後に問い合わせを行ったユーザーは77%に増えている。増加の度合い(50%)は全体平均と同じである。ただし、ウェブサイト以外のサポートを利用したユーザーのうち、電話を利用したユーザーの割合が75%(=58/77)と全体平均(65%)より多い。

このような結果にはいくつかの理由が考えられる。たとえば

・電話を使用しなければできない手続きが多い。または多かった。今日、ウェブサイトで可能な手続きはあるが、ユーザーに浸透していない。

・多くの会社でウェブ施策はもっぱら新規契約獲得が中心で、既契約者が継続的に自社サイトにアクセスするための施策が十分行われていない。そのためウェブ利用の習慣がユーザー(既契約者)にあまりない。

・自己解決するのに十分なサポートサイトになっていない。しかし、電話と外交員が顧客接点という社内体制があまりにも強固なため、ウェブ施策にリソースがあまり割かれない。

などが考えられる。すべてをウェブサイト経由で行う必要は必ずしもないかもしれないが、他の手段と効果的に組み合わせることで、より良い顧客接点が構築できる可能性を常に探究することは十分に取り組む価値があることであると考えられる。

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