最も多いのは「トラブル・故障の解決」
グラフはサポートサイトを利用した人に対してその利用目的を尋ねた結果である。最も回答が多かったのは「トラブル・故障の解決」(25.9%)で、全体のおよそ4分の1を占める。
これは「使い方を調べる」(22.6%)よりやや多い。このように、サポートサイト利用者の中には、単に利用方法についてより理解するというよりも切迫した状況にある人が多い。
しかし、「Q&Aで疑問を解決する」目的の来訪者は16.2%にとどまる。企業としてはサポートサイトを利用してユーザー自身の手で問題を自己解決して欲しいが、その意図通りにユーザーに行動してもらうためには一定のハードルを乗り越えなければならないことが窺える。
注1:値は全製品・サービス平均
注2:ベースは各社のサポートサイト利用経験者
マーケターも無視できない「購入の参考にする」
ほとんどの場合、サポートサイトは購入者ないし既契約者に対して提供することを想定して作成されている。
一方、来訪者の中には5人に1人程度の割合で「購入の参考にする」(20.4%)人が含まれている。商品情報ページではわからない細かな仕様や使い勝手を確認するために利用されているものと考えられる。このことを踏まえると、サポートサイトはこうしたユーザーが存在することを想定して作成されることが望ましい。
もちろん、ユーザーが求めているのはサポートサイトの内容そのものであるので、マーケティングサイトによく見られるイメージ訴求的な部分は不要と考えられる。むしろ、求められるのは適切な情報提供タイミングであり、そのためのサポートサイトの制作プロセスである。
現行のサポートサイトが、コールセンターに入ったユーザーからの質問を元に作成されている場合には見直しが必要である。このようなプロセスのもとでは、商品発売直後の最も情報ニーズが高い時期に情報が不足する可能性が高くなる。あらかじめ想定される質問に対する解決策のページ、および取扱説明書を用意しておくことが重要である。もっとも、このような情報が必要なのは必ずしも購入検討中のユーザーに限られない。購入直後のユーザーがサポートを必要としていることは少なくなく、このタイミングで十分な情報を用意しておくことはサポートサイト本来の目的に合致するものと考えられる。そのためには、商品の発売準備段階からマーケティングや商品開発サイドと十分な連携を取ることが重要であると考えられる。
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