多くのサポートサイトは「欲しい情報が見つからない」という問題を抱えている。これはサポートサイトの有用度評価を下げる大きな左右となっている(図1)。
情報の不足
情報の不足は最も基本的な問題として、その企業がサポートに力を入れていないことを如実に物語るものだ。しかし、一見多くの項目を網羅しているようでも、説明が不足しているなど内容に不備がある場合もある。
たとえば、デジタルカメラを想定した次のようなQ&Aの例を考えてみたい。
- Q:三脚は使えますか。
- A:はい。使えます。
ユーザーは本当にこのシンプルな回答で満足するのだろうか。本当に知りたいのは三脚の使い方ということはないのか。落ち着いて見ると奇妙に見えるこのやり取りだが、何の疑問もなく掲載されているとしたらQ&Aの作成プロセスに問題が潜んでいる可能性が高い。
情報構造の不備
あるパソコンメーカーのサイトでは、目的の製品にたどり着くまでに5段階ものステップを踏まなければならなかった。ユーザーはやっと目的の製品を見つけ、そこから更に必要な情報を探索しなければならない。また、あるパソコンメーカーでは問い合わせフォームに到達するまでに7段階ものステップをユーザーに要求していた。マーケティングサイトやECサイトでは入力ページへの到達率や離脱率を細かくチェックし、改善しているメーカーが多いが、サポートサイトではそのようなチェックがおろそかにされている。
別の例では、ある製品のサポートページから特定の情報(たとえば取扱説明書)を参照しようとすると、いったんサポートページを離脱し、改めてその他の製品を含む製品一覧の中から該当する製品を選び直さなければならなかった。このような使いづらさにはよく遭遇するが、その背景にはサイト構造を整備しユーザビリティを高める努力が不足していることがある。
制作プロセスおよび社内管理体制
Q&Aがコールセンターに来た質問を文書化するという仕組みになっていた場合、Q&Aの公開は製品の発売からかなり遅れることになってしまう。また、上で取り上げた奇妙なQ&Aの例も、コールセンターでのやり取りの時はそれで済んだためそのまま公開されてしまった可能性が高い。
あるいは、社内の管理体制が品番別となっていた場合、サポートのページも品番単位で作成されることが多いが、これが品番による情報のばらつきを生む原因となることがある。サポートサイトに最適な情報とは何かを十分に検討しなければ、ユーザーの求める情報と乖離が生じやすくなってしまうのである。
参考
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