ブランド戦略通信 │トライベック・ブランド戦略研究所

ブランドなんでもランキング

第18回:携帯電話会社のイメージ(3)

Yahoo!の加入者純増シェアトップ獲得や、高速データ通信を売りにするイーモバイルの参入など、携帯電話市場(PHSを含む)は混戦状態といえるでしょう。そんな中、2008年4月にNTTドコモのロゴ変更、ブランド戦略の刷新とそれに関連する各種施策を順次投入するという発表がありました。「ブランド力の危機を感じた」という代表取締役社長の中村維夫氏。ここ1年ほど、純増シェアでは苦戦が続いているのは事実ですが、それでも契約者数は50%以上のシェアを保っています。

果たして、消費者のブランドイメージはどうなのでしょう?本当にドコモのブランド力は落ちているのでしょうか?

ブランドなんでもランキングではこれまでに2回、携帯電話会社のイメージランキングを行ってきました(第1回:携帯電話会社のイメージ第6回:携帯電話会社のイメージーMNP前後ー)。前回調査から1年経った今回は、ツーカーの代わりにイーモバイルを加えて「携帯電話会社」のイメージ調査を行いました。

信頼度ナンバーワンの優等生はやはりドコモ

【単位:%】 優等生型
知的な 信頼できる
NTT Docomo MNP前 23 39
MNP後 17 57
今回 13 50
au MNP前 7 11
MNP後 6 15
今回 5 15
Vodafone MNP前 9 3
SoftBank MNP後 10 4
今回 8 3
EMOBILE 今回 2 2
WILLCOM MNP前 7 1
MNP後 15 8
今回 6 1
【表1】優等生タイプランキング

「知的な」「信頼できる」というこのふたつのイメージの合計を「優等生タイプ」としました。今回の調査で圧倒的な値を出したのがドコモの「信頼できる」(50%)でした。「知的な」と合わせると63%で、MNP後の74%と比較し、減少傾向であるものの、auの計20%、ソフトバンクの計11%などに比べて圧倒的な値となりました。ドコモに対する「優等生型」というイメージはやはり根強いようです。

しかし、今回の結果を見ると、MNP後57%までアップした「信頼できる」は今回7%の低下、「知的な」も17%から13%へ前回よりも4%低下しています。ドコモの強みともいえる「優等生型」というイメージですが、その強みに陰りが見えるようで今後が懸念されます。

「親しみやすさ」ではauの勝利

【単位:%】 マルチ人間型
洗練された 多才な 親しみやすい
NTT Docomo MNP前 16 28 33
MNP後 8 18 33
今回 5 7 21
au MNP前 22 24 36
MNP後 21 40 43
今回 13 28 36
Vodafone MNP前 12 12 13
SoftBank MNP後 6 18 13
今回 8 28 14
EMOBILE 今回 5 3 1
WILLCOM MNP前 5 7 2
MNP後 4 6 8
今回 1 7 2
【表2】マルチ人間タイプランキング

「洗練された」「多才な」「親しみやすい」この3つを合わせたものを「マルチ人間タイプ」としました。このタイプのナンバーワンは合計77%のauです。ソフトバンクも50%と健闘、ドコモは33%になりました。特にここで目につくのは、「親しみやすい」の割合です。au、ドコモの上位2社が他を引き離しており、やはり私たちの生活になじんでいるのはこの2社と言えそうです。

いろいろ楽しませてくれる「白い犬」

【単位:%】 おもしろ型
個性的な 面白い
NTT Docomo MNP前 8 5
MNP後 5 7
今回 2 3
au MNP前 40 27
MNP後 44 37
今回 38 18
Vodafone MNP前 34 11
SoftBank MNP後 38 20
今回 46 31
EMOBILE 今回 8 7
WILLCOM MNP前 17 8
MNP後 21 10
今回 20 6
【表3】おもしろタイプランキング

「個性的な」「面白い」を合わせたものを「おもしろタイプ」としました。このタイプのトップは、77%のソフトバンク。一時、料金プランの告知では問題があったものの、その後のホワイトプランの導入や、ディズニー・モバイルなどのコラボ端末、「白い犬」のCMなど、枠にはまらない数々の工夫を打ち出してきました。「次は何をしてくれるんだろう」と、ソフトバンクユーザー以外の消費者をもわくわくさせてくれますね。クラス一番の人気者、といったところでしょうか。また2位のauも1位と差はつけられましたが、56%と健闘しています。そして「優等生」ドコモは5%と最下位になってしまいました。

シンプル・素朴なウィルコム

【単位:%】 純朴型
素朴な シンプルな
NTT Docomo MNP前 4 5
MNP後 6 8
今回 3 10
au MNP前 6 4
MNP後 6 8
今回 4 10
Vodafone MNP前 13 16
SoftBank MNP後 9 13
今回 2 8
EMOBILE 今回 4 6
WILLCOM MNP前 8 18
MNP後 15 17
今回 12 18
【表4】純朴タイプランキング

「素朴な」「シンプルな」の合計を「純朴タイプ」としました。このタイプで1位になったのは、ウィルコム(30%)です。料金定額制を初めて導入、ハイブリッド携帯の発売など、過去に話題になった試みをしているので「おもしろタイプ」としてももっと評価されて良さそうなものですが、消費者全般にその特徴が知れ渡ってはいないようです。「名前は知っているけど、何が特徴かがいまいちぴんと来ない……」そんなアンケート回答者の戸惑いがこの結果からうっすら見えます。ちなみに、ドコモは13%、 auは14%、ソフトバンクは10%、イーモバイルも10%という結果になりました。ちなみにイーモバイルは高速データ通信では結果を出したものの、携帯電話市場ではまだまだ新規参入の身。イメージの訴求には至っていないようで、各項目ともに低い数値となりました。

今回のこの調査では、大手3社は結果に個性がはっきりと浮き彫りになりました。これから今秋にかけてブランド戦略の革新を順次続けるというドコモ。そしてそれを意識するであろう他社。半年後に消費者の意識がどう変わっているか、楽しみですね。

調査概要と結果

全国の10代〜50代のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2008年4月23日〜4月24日
調査対象 NTTドコモ、au、ソフトバンク、イーモバイル、ウィルコム
調査項目
(イメージ)
知的な、素朴な、親しみやすい、個性的な、信頼できる、洗練された、シンプルな、多才な、面白い
イメージの分類と
ランキング方法
コレスポンデンス分析による分類を適用した。グループに適した名前をつけ、イメージ(%)を合計して高い方から順位を付けた。

  • 優等生型…知的な+信頼できる
  • マルチ人間型…洗練された+多才な+親しみやすい
  • おもしろ型…個性的な+面白い
  • 純朴型…素朴な+シンプルな
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