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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

ブランドなんでもランキング

第1回:携帯電話会社のイメージ

近年、携帯電話市場はめまぐるしく変化しています。王者NTTドコモ、それを追い上げるau、予想外の動きをするボーダフォン、ついにソフトバンクが携帯事業に参入・・・などなど、市場が頭打ちと言われる中、各社しのぎをけずって争っています。

さて、記念すべきブランドなんでもランキング第1回目は、そんな携帯電話がテーマです。

ブランディングの世界では、「ブランド・パーソナリティ」という考え方があります。これは、あるブランドを人に例える(比喩)ことにより、ブランドイメージや特徴を測定する方法です。さて、皆さんが日頃よく目にする携帯電話会社(キャリア)はどのようなイメージを持たれているのでしょうか?

各社のイメージの結果は以下のようになりました。

ですが、ただ表を見て「ふんふん、なるほど」と頷いていても面白くないので、イメージをグループ分けしてそれぞれをランキングにしてみました。(グループ分けの方法についてはこちらを参照下さい)

【図1】各社のイメージ

【図1】各社のイメージ

頼れる優等生、NTTドコモ

【図2】優等生ランキング

【図2】優等生ランキング

「知的な」、「信頼できる」という2つのイメージの合計を「優等生度」とし、ランキングしたところもっとも高かったのはNTTドコモでした。2位のauに大差をつけての堂々1位です。さしずめ、財閥のおぼっちゃまといったところでしょうか。NTTグループの伝統と信頼は健在です。

auは「おもしろくて、なんでもできる人気者」

【図3】おもしろい人ランキング

【図3】おもしろい人ランキング

次はクラスの中に必ず一人はいる人、そう「おもしろい人」を見てみましょう。「個性的な」と「面白い」イメージを合わせたポイントを「おもしろい人度」としました。

このポイントが一番高かったのはau。「auデザインプロジェクト」を立ち上げたり、CMの中でバンドを組んで本当にCDまで出してしまったりと、そのユニークさが評価されたといえるでしょう。

2位はソフトバンクとの統合が決定したボーダフォン。「予想外」をキーワードに展開されるテレビCMシリーズの次回作が楽しみです。

半数近くの人が「あてはまるイメージがない」と答えたウィルコムも3位と健闘。端末にキーボードをつけるアイデアには驚きましたね。今後は、存在感を高めることが重要なテーマです。

【図4】マルチ人間ランキング

【図4】マルチ人間ランキング

「洗練され」ていて「多才な」、そして「親しみやすい」という良いとこどりのイメージの合計である「マルチ人間度」でもauが1位です。

新機種を次々に市場に送り込みながら、デザインに注力したシリーズや、かわいいLISMOのキャラクターなどでフレンドリーな印象を与えることも忘れません。

キャラクターといえば、NTTドコモの「ドコモダケ」。携帯ストラップに付けている人もよく見かけますが、かわいらしいだけでなくちゃんと家族がいたりして、キャラクター設定にも力を入れているようです。

シンプル・イズ・ベストな ツーカー

【図5】純朴人間ランキング

【図5】純朴人間ランキング

「素朴な」と「シンプルな」イメージの合計ポイントが最も高かったのがツーカーでした。これを「純朴度」とします。

端末の多機能化の流れにあって、あえて「シンプル」を追求し、差別化をはかったことが奏功した模様です。ターゲットを明確に絞った点も、ブランディングの観点から見習うべきことがありそうですね。

でもツーカーには大都市圏にしか取扱店がないという都会的な一面もあるのですが・・・。


【調査概要と結果】

全国の10代〜50代のインターネットユーザーから回答を得た

サンプル数 100
調査期間 2006年8月18日〜8月19日
調査対象 NTTドコモ、au、ボーダフォン、ツーカー、ウィルコム
調査項目(イメージ) 知的な、素朴な、親しみやすい、個性的な、信頼できる、洗練された、シンプルな、多才な、面白い、あてはまるものはない
イメージの分類とランキング方法 各社ごとのイメージをコレスポンデンス分析により4グループに分類。グループに適した名前をつけ、イメージ(%)を合計して高い方から順位を付けた。

イメージのグルーピング結果は以下のようになった。距離が近いほどイメージが似ていることを意味する。

【図6】各社のイメージのグルーピング

【図6】各社のイメージのグルーピング
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