ブランドなんでもランキング、昨年8月の第一回では携帯電話会社を取り上げました(こちら)。その後、ボーダフォンのソフトバンクへの移行、番号持ち運び制度(ナンバーポータビリティ=MNP)とそれに伴うソフトバンクの誇大宣伝問題など、話題は続出。そこで、今回、半年経てから、消費者のイメージがどのように変わったのか、聞いてみました。
全体的に見ると、変化が大きかったのが「信頼できる」と「多才な」です。特に「信頼できる」はNTTドコモとauが大幅にアップ。様々な問題が露出したソフトバンク(旧・ボーダフォン)はポイントを落としこそしなかったものの、依然として低いままの結果となりました。また、「多才な」はauがぐんとアップ、ソフトバンクも上昇を見せています。
持ち味がさらに際立った大手2社
【図1】優等生型ランキング
【図2】マルチ人間型ランキング
前回、NTTドコモでは優等生型(「知的な」「信頼できる」の合計値)が高かったのですが、今回もトップになっています。一方で、前回そこそこの値を出していた「洗練された」「多才な」の値を10ポイント前後落としており、印象として、努力家タイプの優等生になった感じです。
また、「おもしろ型」(「個性的な」「面白い」の合計値)とマルチ人間型(「多才な」「親しみやすい」の合計値)トップを快走したauは、各値ともアップし、「おもしろくて、何でもできる人気者」ぶりにさらに磨きをかけました。音楽、映像もフルに楽しめる新しい機種の登場ももちろんですが、最近のCMを見ていると、具体的な何かを伝える、というよりも全体的にうきうきと楽しい気分になれそうな雰囲気が伝わってきますね。そういえば、吉本興業グループと手を組み、携帯電話向け オリジナルの連続ドラマの配信も始めました。まさに持っている能力をフルで使える人気者、といったところです。
ソフトバンクも健闘
【図3】おもしろ型ランキング
【図4】純朴型ランキング
また、同じく「多才な」が上昇したソフトバンク(旧・ボーダフォン)。吸収合併という大問題、その後の料金プランの複雑さや広告展開への批判があったせいか、「信頼できる」は低いままですが、スリムなワンセグケータイやカラーバリエーションが豊かな機種など、デザイン性にもチャレンジしているところが評価されたのかもしれません。また、年明け早々に発表されたごくシンプルな新料金プラン「ホワイトプラン」もあってか、リアルの世界で純増数は高水準を達成しています。CMにも注目です。自社の球団、福岡ソフトバンクホークスの選手を出演させ、さらに架空の選手まで作り出し、料金プランをアピールするといった、携帯電話会社単体ではなく、グループの認知度を上げるのに有効なつくりになっているのです。ほかにも、ブラッド・ピッド、キャメロン・ディアスが出演する作品もあり、バリエーションは豊か。それでいて、料金体系を表すカラーとして「白」を利かせているのも特長ですね。
端末の面白さだけでは不十分
また、前回、純朴度(「素朴な」「シンプルな」の合計)でトップであったTU-KAは、前回同様ではあるものの、純朴度の値が若干下がり、その代わりにおもしろ型の値がアップ。やや都会派になった感じです。
05年末にウィンドウズモバイルを搭載したスマートフォン(多機能型端末)を他社に先駆けて発売した、WILLCOMは「知的な」がアップしたものの、今回も「当てはまるものがない」のトップになってしまいました。また、優等生型の値と「素朴な」「面白い」が若干アップしています。端末としての目新しさ、面白さはあっても、それだけでは不十分なようです。
07年にはデータ通信においてアイピーモバイル、イー・モバイルが参入するほか、電子マネーサービスも増え、オサイフケータイも活性化しそうです。携帯電話は現代人にとってもはやマストアイテム。各社がどういった戦略を打ち出してくるのか今後も注目していきたいですね。
調査概要
全国の10代〜50代のインターネットユーザーから回答を得た
サンプル数 | 100 |
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調査期間 | 2007年2月15日〜2月16日 |
調査対象 | NTTドコモ、au、ソフトバンク、ツーカー、ウィルコム |
調査項目 (イメージ) |
知的な、素朴な、親しみやすい、個性的な、信頼できる、洗練された、シンプルな、多才な、面白い、あてはまるものはない |
イメージの分類と ランキング方法 |
第1回の携帯キャリアのイメージ(こちら)でコレスポンデンス分析による分類を適用した。グループに適した名前をつけ、イメージ(%)を合計して高い方から順位を付けた。
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