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Brand Strategy journal ブランド戦略通信

Web Equity調査結果分析2011

第2回:サイト利用率のアップは訪問頻度の向上が鍵

企業ウェブサイトサイトの売上貢献度を表わす指標の一つにサイト利用率がある。

サイト利用率は購入者に占めるウェブサイト利用者の割合である。

ここでいうウェブサイト利用者とは、購入の参考にするという目的を持った利用者のことであり、前回(第1回)の「購入時参考情報」で企業ウェブサイトを選択した人の割合に対応する。

サイト利用率は、購入意欲を持ってユーザー自らの意思に基づきアクセスしたという点で、単にアクセス者と購入者が結果的に重複していたという以上の意味がある。

購入意欲を持つユーザーの増加は企業にとって好ましいが、問題はいかに増やすかである。

もちろん、最初から自社製品の購入意思を持つユーザーだけを対象にするという考え方もあるが、それでは広がりが期待できない。マーケティング施策として、商品の興味を喚起し、購買意欲を刺激する仕組み、仕掛けが重要である。

そのための基本施策として、来訪頻度のアップに注目したい(図1)。



訪問頻度とサイト利用率には式y=0.8382x×9.6056で表わされる正の相関関係があり、決定係数R2 は0.4461である。

【図1】訪問頻度とサイト利用率の関係(電機業界)(2011年)



ある特定ブランドに対する購入意欲は、当該ブランドに対する接点の数と質に基本的に比例する。

接点となるものはもちろん企業ウェブサイトだけに限らない。店頭や店員などもあるし、テレビなどのマスメディア、電話(コールセンター)などもあるが、何よりその企業の製品そのものが特に所有者、利用者にとって最も重要な接点となることが多い。消費者はさまざまな接点を通じて企業に対する体験ないし情報を蓄積し、次の購買行動へとつながっていく。

企業ウェブサイトにおいても、繰り返しユーザーと接点を持つことによって、いざ購入という段階になったとき、ユーザーが自社サイトを想起し製品情報を収集する元となる可能性が高まり、ひいては自社製品を選択してもらえる可能性が高まる。そこに至るまでの接点は必ずしも製品情報である必要はなく、さまざまなコンテンツや施策を通じて接触状態を保つことがウェブマーケティングを考える上で重要である。

参考

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