Web Equityでは、調査開始以来、消費者が商品を購入したときに参考にした情報を企業や製品別に把握してきた。
グラフ(図1)に示すように、購入時にテレビを参考にした人は2010年度調査では21.6%、対して企業ウェブサイトを参考にした人は18.6%と、前回はテレビの方がやや参考にした人が多かった。
対して、2011年度調査ではテレビを参考にした人は20.0%でわずかながら減少し、一方、企業ウェブサイトを参考にした人は20.3%とわずかではあるがこちらは上昇した。その結果、購入時参考情報としてテレビを挙げた人の割合と企業ウェブサイトを挙げた人の割合がほぼ同じとなった。
非常にゆっくりと静かな動きではあるが、メディアの主役が交代しつつある状況が見て取れる。
なお、話題のソーシャルメディアだが、ツイッターやフェイスブックなど(グラフでは「掲示板やブログ」の部分に含まれている)の購買決定に対する影響力は現状では非常に小さい。ソーシャルメディアではカカクコムなど従来からある比較サイトのはるかに影響力が大きい。企業のマーケティングを担当する立場としては、この点を冷静に見る必要がある。
ところで、厳密にはメディアではないが購入時に最も参考にされる情報源に「その他」がある。これは主として店頭や店員のことを指している。
このように、店頭は購買プロセスの最後にあって、依然として最も影響力の高いものである。
もっとも、テレビやウェブサイトのようなメディアと店頭は性格が異なるものである。
メディアは主としてマーケティング、ブランディングを担うが、店頭は販促を担当するなど、役割が異なっている。この点を無視して、「結局店頭で決まるのだから店頭の販促だけを行えばよい」という認識は必ずしも適切とはいえない。さまざまな手法を組み合わせ、相乗効果により売上価値の最大化を図るのが望ましいあり方と考えられる。
参考
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