BtoBサイトの売上貢献度の評価は2つの側面から行うことができる。
一つは、第4回で見たようにターゲットユーザーの一連の行動推移を把握することである。
もう一つは購入者、ないしは購入検討者にフォーカスし、彼らが購入までにWebサイトをどの程度活用したかに着目するというものである。この観点からBtoBサイトの売上貢献度を示す指標はサイト効果である。
サイト効果は売上高のうち、何らかのサイトの影響があったと考えられるものの割合を示し、次式によって算出される。
サイト効果(%)=サイト利用率(%)×サイト関与率(%)÷100
ここで、
サイト利用率(%)=購入検討状況のアクセス者/購入者×100
サイト関与率(%)=ウェブサイトから得た購入に必要な情報/購入者が購入検討時に参考にした情報×100
図1はBtoBのサイト効果をBtoCとの対比によって表わしたものである。BtoBのサイト効果はBtoCサイトより3倍以上高い。特に、サイト利用率でBtoBがBtoCを圧倒的に上回っている。BtoBでは購入検討時に対象企業の企業Webサイトで内容を確認するという購買行動パターンが定着していることがわかる。
このサイト効果を用いることによって、各社のサイトがどれだけの売上に関与したかを売上価値として計算することができる。算出される結果はウェブサイト経由での直接の売上ではないが、相当する金額がウェブサイトによって何らかの影響を受けていることを示すものとして、経営者がBtoBサイトの重要性を認識するためのインパクトのある数字となる。