グラフはニーズ充足度に対して各サイトの評価項目がどのように影響しているかを示したものである(図1)。
【図1】ニーズ充足度に影響を与えるサイトの印象
注:ニーズ充足者の数を従属変数、サイトの印象を独立変数とする重回帰分析
分析はニーズ充足度を従属変数とし、各評価項目を独立変数とする重回帰分析によって行った。
グラフの見方は、横棒の長さは各項目のニーズ充足度に対する影響度であり、その項目の評価が高ければ高いほどニーズ充足者の数が増える可能性が高いということを示している。
もっとも影響度が高いイメージ項目は「製品・サービスの特徴を理解しやすい」である。
BtoBサイトユーザーが求めるコンテンツは、第一に製品・サービス情報である。したがって、製品・サービス情報が充実していることが重要であるのは当然であろう。
この点で評価が高いのはキヤノンやセイコーエプソン、リコーなどのオフィス機器のサイトである(表1)。
順位 | 企業(サイト)名 | % |
---|---|---|
1 | キヤノン(オフィス機器) | 53.1 |
2 | セイコーエプソン(オフィス機器) | 51.7 |
3 | サイバートラスト | 51.6 |
4 | リコー(オフィス機器) | 51.0 |
5 | テルモ | 50.7 |
6 | アジレント・テクノロジー | 49.4 |
7 | 松下電器産業(FA) | 49.0 |
8 | 堀場製作所 | 48.0 |
9 | オムロン(Industrial Automation) | 47.9 |
10 | ASML | 47.6 |
10 | コモドジャパン | 47.6 |
【表1】「製品・サービスの特徴を理解しやすい」ランキング
次いで影響度が高い項目は「用途・メリットを理解しやすい」である。先の「製品・サービスの特徴を理解しやすい」と同じカテゴリーに分類されるようなイメージ項目である。
3番目に影響度が大きい項目は「情報を見つけやすい」である。これは1番目、2番目の印象、ないしは情報を支えるサイトの利便性である。どんなに情報が多くてもユーザーが見つけられなければないに等しい。
もっとも、情報の多さと見つけやすさは相反する要素ではある。これを高いレベルで実現できているサイトは良いサイトといえる。
BtoBでは製品・サービスの内容は問い合わせを受けて直接訪問で初めて説明するスタンスの企業が多いように見受けられる。しかし、ユーザー側は可能な範囲で事前にWebサイトで情報収集し、ポイントを絞ってより深く、あるいは具体的なやり取りをしたいと考えるようになっている。このようなニーズとのギャップが大きいWebサイトを持つことは営業上必ずしも好ましいことではないであろう。
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