調査対象全264サイトについて、横軸にニーズ充足度、縦軸にターゲットに占めるアクセス者の割合を取ってプロットするときれいな右上がりの直線が描かれる(図1)。
【図1】アクセス経験とニーズ充足度との関係
決定係数は0.94(相関係数は0.97)と、ニーズ充足度とアクセス率との間の相関はきわめて高い。
このように、BtoBサイトではユーザーの情報ニーズを充足することは最大のアクセス対策となる。
次に、横軸にニーズ充足度、縦軸に購入検討率を取り、264サイトの分布を調べて見ると、これも高い相関関係が見られる(図2)。
【図2】ニーズ充足度と購入検討との関係
決定係数は0.95(相関係数は0.97)と、ニーズ充足度と購入検討率との間の相関はきわめて高い。
ターゲットへのリーチに成功し、ニーズを充足させれば、少なくとも購入検討の俎上に上る可能性が高いのである。
このことは、マーケットシェアでは下位のメーカーにも大きなチャンスがあることを示唆しているのではなかろうか。
実際、検討段階ではターゲットユーザーは複数の候補先を検討する場合が多い。このとき、Webサイトの情報がそのユーザーのニーズに合致していれば、少なくとも検討対象には入る可能性が高いのである。
このような結果は、前回(第4回)で見たようにBtoBサイトの方がBtoCサイトより売上貢献度がはるかに高いことと整合的であると考えられる。このように、BtoBサイトの方がBtoCよりユーザーのニーズに答える努力が報われやすい傾向にある。BtoBでは人的販売に営業手段が偏るなどWebサイトや広告を重視しない企業が少なくないが、より多面的なアプローチを取った方が成約の確率が向上するケースは少なくないのではないだろうか。
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