今回の調査ではBtoBサイトの売上貢献度を具体的な数値で把握するという初めての試みを行った。
基本的な概念は製品・サービスの購入者が利用した情報のうち、Webサイトを通じて得た情報の割合をもってサイト効果(Webサイトが情報面で関与した売上の割合)とするというものである。
【図1】サイト効果=サイト利用率×サイト関与率
サイト効果は製品・サービスの購入者に占めるWebサイト利用者の割合(サイト利用率)と、サイト利用者がWebサイトから得た情報の割合(サイト関与率)に分解される(図1)。
対応する売上高が分かれば、売上価値を算出することもできる。
たとえばある事業の売上高が1000億円、当事業のWebサイトのサイト効果が20%とすると、200億円(=1000億円×20%)の売上は情報的な意味でWebサイトが関与した売上と見ることができる。
全264サイトの調査結果からサイト利用率29%という数値を得た。
【図2】サイト効果(サイト利用率&サイト関与率)
これはBtoCのサイト利用率9%に対して3倍以上と、顕著に高い(図2)。
一般に、アクセス数から見るとBtoBサイトはBtoCサイトよりはるかに小さい場合が少なくない。
その結果、どうしてもBtoCサイトの方に注目が集まりやすいのが実情である。しかし、実際には売上への貢献の度合い、あるいは営業補完の効率性という面ではBtoBサイトの方が高いパフォーマンスを示している。
見方を変えれば、BtoBサイトの1アクセスの価値はBtoCサイトの1アクセスと比べてはるかに高い場合が少なくないということである。1アクセスの重みを無視して単にPVの大小のみを比較するのでは本来のWebサイトの貢献度を把握することはできないのである。
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